先日のことですが、「家族滞在ビザなんだけれど、別居することはできるのだろうか?」というご相談を頂きました。詳しいお話を聞くまでは、「離婚したいのだろうか」とか「ひょっとしたら家庭内暴力にあっているのだろうか」と勝手に推測をしてしまいました。
が結局は「時給がいいアルバイト先が遠くにあるから、家族滞在ビザの自分だけアルバイト先に近いところへ引っ越したい」という内容でした.....。
当事務所からは「そのような理由で自分だけ引っ越すことはできませんよ」とできるだけ丁寧に返答しております。
家族滞在ビザは基本的に就労系ビザや留学ビザなどの人とその家族が日本で一緒に暮らすために発行されるものです。
しかしときにはどうしてもやむを得ない事情で一時的に別居状態になることも現実としてはあり得ます。その「やむを得ない事情」とは一般的にどのようなものが考えられるのかを簡単にご紹介します。
1 仕事の都合で(日本国内の)単身赴任になる場合
会社からの業務指示で日本国内の別の支社などへ配置転換になることもあります。しかし、例えば子供が学校に通っているが、転勤先の地域には言語の都合など受け入れてくれる学校がないなどの事情で単身赴任するなど
2 学校への進学で別居になる場合
家族滞在ビザの子供がそれまで住んでいた所から通学できないような距離にある大学などに進学したなど、大学に通学するためにやむを得ず親許を離れて暮らすような場合です。
これらのような「やむを得ない事情」を「合理的な事情」といいます。大雑把に言い換えると他人が聞いても「そりゃあしょうがないよね」と納得できる事情のことです。
今回の相談内容は、家族滞在ビザの人が「いい給料を得るために、自分だけ別居したい」という内容でした。ここまで書いた通り、このような理由は別居が許されるための「合理的な理由」にはなりません。
そもそも家族滞在ビザの人は基本的に働くことができません。家族滞在ビザの英語名が"Family"ではなく、"Dependent"(賄ってもらう人)になっているのは、家族滞在ビザが働くことを目的にしているのではなく、一緒に暮らすことを目的に許可されるからです。
とはいえ家族滞在ビザの人の多くが「資格外活動許可」でアルバイトをされています。しかしこのアルバイトも、今回の相談のように、家族滞在ビザの本来の目的から外れてしまうような事になるとビザの取り消しの対象となり得ますので、十分にご注意ください。
アルバイトは必ず資格外活動のルール「1人で連続した7日間で28時間以内まで」を守って行ってください。たまに入管にはバレないだろうと勝手に思い込んでルールを破ったアルバイトをする人がいますが、結局は入管に分かってしまいます。
日本での在留資格やビザについて、今回の相談のように少しでも?と思ったことはお気軽にご相談ください。大切な在留資格・ビザについてお役に立てれば幸いです。
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