日本版ESTA(JESTA)導入検討と、米国ESTA制度の基礎知識

日本版ESTA(JESTA)導入検討の前提として、米国ESTA制度の概要を解説します。

はじめに|政府方針で注目される「日本版ESTA(JESTA)」

ESTAとは何かと考える女性

2026年1月23日に公表された政府の「外国人政策に関する新たな方針(総合的対応策)」において、「日本版ESTA」とも呼ばれる JESTA の導入が検討されていることが示されました。

 

この制度のモデルとされているのが、アメリカで既に運用されている ESTA(電子渡航認証システム) です。

 

本記事では、今後導入が検討されている日本版ESTA(JESTA)を理解する前提として、まずはアメリカのESTA制度について、基礎的な内容を分かりやすく整理します。


ESTAとは何か

ESTAとは、アメリカの ビザ免除プログラム(VWP) を利用して渡米する場合に、事前に受ける必要がある電子渡航認証制度です。
正式名称は Electronic System for Travel Authorization で、その頭文字を取って ESTA と呼ばれています。
ESTAの主な特徴は、次のとおりです。

  • ESTAはビザではなく、「米国行きの航空機や船舶に搭乗できるかどうか」を判断するための事前認証制度です。
  • 日本を含む、ビザ免除プログラム(VWP)参加国・地域の国籍を持つ方が対象となります。
  • 観光や短期商用など、90日以内のビザ免除滞在が対象です。
  • 2009年1月12日から申請が義務化されています。

ESTAを申請するタイミング

ESTAは、渡航計画が決まり次第、できるだけ早めに申請することが推奨されています。
具体的には、以下の点に注意が必要です。

  • 航空券予約時、または出発の72時間以上前までの申請が推奨されています。
  • 出発当日の申請では、審査が間に合わず搭乗を拒否される可能性があります。
  • ESTAが未承認の場合、航空会社は搭乗を認めることができません。

ESTAの申請方法

ESTAの申請は、原則としてオンラインで行います。
公式サイトから申請が可能で、家族などについてはグループ申請も認められています。
主な入力項目は、次のとおりです。

  • 個人情報・パスポート情報
  • メールアドレス
  • 勤務先情報
  • 米国での滞在先・連絡先
  • 緊急連絡先
  • 支払い情報
  • 安全・適格性に関する質問事項

ESTA申請にかかる費用

ESTAの申請は無料ではありません。
2026年1月現在、約40USドルの申請費用がかかります。

 

支払いは、クレジットカード等によるオンライン決済となります。
※申請費用は、今後の制度改正等により変更される可能性があります。

ESTAの申請結果

ESTAの申請結果は、次の3つに区分されます。

 

渡航認証許可
ビザ免除による渡米が可能となります(ただし、入国が保証されるものではありません)。

 

渡航認証拒否
ビザ免除による渡航はできませんが、改めてビザを申請することは可能です。

 

認証保留
追加審査が必要な状態で、後日あらためて結果が通知されます。

ESTAの有効期限と再申請

承認されたESTAには、有効期限が設定されています。

  • 承認日から 2年間 が有効期間です。
  • 有効期間内であれば、複数回の渡米が可能です。
  • ただし、パスポートの有効期限が先に切れる場合は、ESTAの有効期限もパスポートの有効期限までとなります。

また、次のような場合には、ESTAの再申請が必要になります。

  • 新しいパスポートを取得した場合
  • 氏名・性別・国籍に変更があった場合
  • 申請時の適格性に関する回答内容に変更が生じた場合

ESTAとアメリカ入国の関係

ESTAが承認されていても、アメリカへの入国が保証されるわけではありません。

  • 入国の最終判断は、到着時に 米国税関・国境取締局(CBP) の職員が行います。
  • 1回の滞在期間は最大90日までです。
  • 短期間に何度も入国を繰り返すと、移住目的を疑われる可能性があるため注意が必要です。

ESTAとビザの違い

ESTAとビザは、そもそも役割が異なります。

 

ESTAは、90日以内の短期滞在目的で、ビザが免除されている国・地域の方を対象とした制度です。
一方、留学や就労など、長期滞在を目的とする場合には、原則としてビザの取得が必要となります。

 

そのため、ESTAはビザの代わりになるものではありません。
また、有効なアメリカビザを保有している場合は、ESTAの申請は不要です。

日本版ESTA(JESTA)はどうなるのか

現在、日本は約70以上の国・地域を査証免除の対象としています。
いわゆるインバウンド観光客の多くも、この査証免除制度を利用して日本に入国しています。

 

アメリカと日本では、入国管理制度や出入国の実態に違いがあるため、日本版ESTA(JESTA)がアメリカのESTAと全く同じ制度になるとは限りません。
ただし、制度の考え方や基本的な枠組みについては、アメリカのESTAを参考にしたものになる可能性が高いと考えられます。

 

今後も、円滑な入国手続きのためには、引き続き政府の動向や最新情報を注視していくことが重要でしょう。

 

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