健康保険と年金と海外の家族

健康保険と年金と海外の家族

永住者の許可が下りない!

長年日本でまじめに働いて、ずっと前から期待していた「永住者」の資格を申請したけれど、許可が下りない。。。
ずっとまじめに働いてきただけ、、、、
もちろん犯罪とか悪いこともしてないし、交通違反で捕まったこともない、、、、
なんで許可が下りない、、、、?

 

というご相談、結構多いです。皆さん、ちゃんと永住者の条件や必要書類を調べたうえで申請されています。こういう場合、ほとんどが年金か健康保険料の未払いか払っていたけどその支払いが期限に遅れていたこと、そしてプラスして海外の扶養家族に原因があります。


年金と健康保険(税金も)

日本に住んでいる外国人の人も日本の年金に加入する義務があります。20歳から60歳の人が対象です。
年金の制度はややこしいのですが、日本人と外国人のどちらも対象になるのが「国民年金」で、会社に勤務している人が追加して入っているのが「厚生年金」です。

 

健康保険も同じで加入する義務があります。こちらは会社で働いてる人は会社が加入している健康保険、そうでない人は国民健康保険に入ります。

 

「永住者」を申請するときは、ほとんどの場合で、この年金と健康保険の「過去2年分」の支払い状況に関する書類を提出します。と、ここまではいいんです。
いわゆる普通の会社で働いていたら年金も健康保険も会社が給料から天引きしてくれて代わりに支払ってくれています。もちろん税金も天引きです。問題なく書類も用意できます。

こういう会社のことを「強制適用事業所」といいます。法人事業所または常時5人以上を使用する個人事業所(農林水産業やサービス業等を除く)は、健康保険・厚生年金保険に加入する義務があります。

 

しかしここで不許可になるのは、会社や勤め先が年金や健康保険に入っていなくて個人で支払っている人たちがほとんどです。「強制適用事業所」といっても実はまだまだ社会保険に入ってくれないところってありますから。で、しょうがなく個人でまじめに役所へ払いに行くわけなんですが、たまに支払日(納付期限というやつです)に遅れてしまうことがあります。
これです、不許可の原因になるのは(この場合、ですが)。
支払いを忘れたとしても、例えば年金なんかはどんな友人や親戚や恋人よりも熱心に手紙を送ってきてくれます。「払ってね」というピンクの封筒で。ちょっと支払いが遅れただけではこんな手紙は届きませんが、支払いが「納付期限に遅れた」という有り難くない履歴が残ります。

 

年金や健康保険料を「支払っていない人」が永住者の申請で不許可になるのは当然ですが、「支払いが遅れた履歴」がある人も不許可になってしまいます。「永住者」になるということは、在留期間が無期限になるとか、制限なく好きな仕事で働けるとか、そういったことに関心が行きがちですが、同時に「永続的に日本の社会保障制度が利用できて、そしてその仕組みを支えるために協力すること」でもあるのです。だから審査では厳しめに年金や健康保険の支払い履歴がチェックされることになります。

海外の扶養家族

これも見落としがちな不許可の原因の一つです。
母国に住む家族を扶養家族として申告すれば税金の控除を受けることができますが、本来は扶養家族として申請できない人まで含めていると、ちゃんと税金を支払っていないという理由で永住者の資格が不許可になってしまいます。

 

海外の扶養家族に送金してはいけない、という事ではなくて、税金を低く抑えるために税法で範囲にならない人まで扶養家族として申請しないでください、という意味です。

 

そしてこの海外の扶養家族の申告は、2023年1月から少々ルールが変わりました。

海外の扶養家族 対象者の変更

2023年1月から扶養控除の対象になる国外居住親族の対象者が変わりました。
簡単に言うと母国などの海外に住んでいる家族で、税金の扶養控除になる人の範囲が変わった、ということです。ただしもともとの「親族の範囲」は変わっていません。その親族の範囲の中で扶養控除の対象になる人にさらに条件が付いたといった感じです。

 

新しい扶養控除の対象になる人は以下の通りです。

  1. 年齢 16 歳以上 30 歳未満の人
  2. 年齢 70 歳以上の人
  3. 年齢 30 歳以上 70 歳未満の人で、次の①から③までのどれかにあてはまる人
  1. 留学で1年以上日本国外に住んでいる人
  2. 障害者
  3. 扶養する人から年間 38 万円以上の送金を受けている人

ものすごくザックリいうと「これまで16歳以上」だった条件が、大幅に狭まりました。基本的に30歳から70歳までの人は対象にはなりません。もしこの年齢の間の人(40歳とかの人)の場合は年間で最低38万円の生活費などの送金実績が必要になります。母国のお父さんやお母さんに生活費を送っている人も多いと思いますが、お父さんお母さんが70歳以下だったら、扶養控除の対象の家族と申請するには、お父さんとお母さんの別々に年間38万円以上の送金が必要になります。
ちなみに配偶者(夫か妻)控除はこれまでと変わりありません。

永住者になっても支払いは必要です。

当然のことですが、年金や健康保険、税金の控除は「永住者」の資格が取れても、決まった金額を決まった日までに支払うことが必要です。
日本に住むことを希望する人が増えていますが、その理由が充実した社会保障だといいます。この社会保障、日本で暮らす人みんなががお金を出し合ってなんとかやっていっています。つまりギブアンドテイクです。

 

日本が好きで、これからも日本で暮らしていくことを希望する人がせっかく支払ったお金の方法で「永住者」が不許可にならないようお気を付けください。

 

なお永住者の申請は当事務所にお任せください。分からないこと、不安なことがあればいつでもお気軽にご連絡ください。

 

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