在留期間更新許可申請(更新手続き)の基礎整理|2025年時点の制度と見直し案

在留期間更新許可申請(更新手続き)の基礎整理|2025年時点の制度と見直し案

最近の報道を踏まえて「更新手続き」の基本を整理します

レクチャーする男性

最近の報道(2025年11月上旬〜下旬)では、日本で中長期滞在を続ける外国人が行う在留期間更新許可申請(いわゆる「更新手続き」) について、制度の見直しが検討されていると伝えられています。
たとえば、次のような内容が報道されています。

2025年11月4日の報道

2027年6月以降をめどに、国民健康保険の未納がある場合には、原則としてその滞納者について在留資格の更新を認めない方向で検討している。

2025年11月20日の報道

在留資格の更新手続きの費用を、現在の6,000円から、2026年度中に 3万〜4万円程度に引き上げる案が検討されている。

2025年11月28日の報道

更新手続きの費用について、10万円を上限とする水準まで引き上げる案も選択肢として検討されている。

 

本記事は、当事務所が公開している「現在、見直しや変更が検討されている入管で行う主な手続きシリーズ」第2回として、2025年11月末時点の制度にもとづき在留期間更新許可申請(更新手続き) の基本を整理します。


「更新手続き」とは何か

在留期間更新許可申請(更新手続き)は、

現在の在留資格を変えずに、日本での活動を継続するため、在留期間を延長してもらう申請

です。たとえば、

  • 就労ビザで働き続けたいとき
  • 留学ビザで学業を継続したいとき
  • 家族滞在ビザで日本に居住する家族が引き続き滞在する場合

などに必要になります。在留期間の満了日より前に「在留期間更新許可の手続き」を申請し、許可されることで継続して滞在できます。

更新を重ねると在留期間が長くなることが多い

2025年11月末時点の運用では、初回の在留期間が1年で許可されるケースが多く、その後の更新では、引き続き1年の在留期間が認められる場合もあります。
一方で、日本での就労・学業・生活の状況が安定していると判断されれば、3年の在留期間が付与されることもあります。さらに、一定の要件を満たすケースでは、5年といった長めの在留期間が認められる場合もあります。
ただし、すべての方が必ず長期の在留期間に移行するわけではなく、事情に応じて1年ごとの許可が続くこともあります。

更新手続きで確認される主なポイント

在留資格の種類により異なりますが、一般的には次のような点が確認されます。

  • 活動内容が在留資格の範囲に合っているか
  • 勤務先・学校・扶養者などに大きな変更がないか
  • 収入や生活状況など、日本での生活基盤が安定しているか
  • 税金や社会保険料(住民税・国民健康保険料・年金など)の納付状況
  • 過去の在留状況や素行に問題がないか

今回報道されている「国民健康保険の未納と更新不許可案」は、このうち納付状況に関する部分が強調されています。

報道で検討されている見直し案

いずれも「検討中の案」であり、制度として確定しているわけではありません。

2025年11月4日の報道

2027年6月以降、一定額以上の国民健康保険料の未納がある場合には原則として更新を認めない方向で検討していると報じられている。

2025年11月20日の報道

更新手続きの手数料を現在の6,000円から、2026年度中に3万〜4万円へ引き上げる案 が検討されている。

2025年11月28日の報道

更新手続きの手数料を、10万円を上限とする案も選択肢として検討されている。

現行制度との関係

現在の更新手数料

6,000円のまま(まだ制度変更はされていない)

報道されている手数料案

3〜4万円案、10万円案はいずれも検討段階で、確定ではない

国民健康保険と更新許可

現時点でも納付状況は審査対象。しかし、未納=原則的に更新不可というルールがすでに導入されているわけではない。

まとめ(2025年11月末時点)

  • 更新手続きは、日本での活動を続けるための 在留期間延長の申請
  • 更新を重ねることで、1年 → 3年 → 5年 と長い在留期間が認められる場合がある
  • 更新審査では、活動内容・生活基盤・納税状況などが確認される
  • 現在の更新手数料は 6,000円
  • 報道された検討中の手数料の金額は、3万円~4万円、または10万円を上限とするもので、2026年度中に変更となる見込み
  • 2027年6月以降を目途に、国民健康保険未納の場合、原則的に更新を不許可とする扱いが開始される見込み

本記事は「現在、見直しや変更が検討されている入管で行う主な手続きシリーズ」第2回として、2025年11月末時点の制度をもとに解説しました。

 

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