
外国人社員を採用している企業から、「在留資格の申請費用は会社が負担するべきでしょうか」というご相談を受けることがあります。
もっとも、この問題に一律の正解はありません。
在留資格の種類や採用方針、社内制度によって考え方は変わるためです。
近年は外国人採用競争も激しくなっており、
などを踏まえて制度を設計する企業も増えています。
そのため、「会社負担が正しい」あるいは「本人負担が正しい」という単純な問題として考えるのではなく、会社としてどのような考え方で整理するのかが重要になります。
実際には、就労系在留資格の取得費用や更新費用を会社が負担している企業も少なくありません。
その理由としては、
などがあります。
また、外国人採用を積極的に行っている企業では、在留資格の申請費用を福利厚生の一部として位置付けている場合もあります。
もっとも、会社負担としている企業でも、その考え方はさまざまです。
例えば、
などがあります。
また、技術・人文知識・国際業務ビザのように、転職によって直ちに在留資格が失われるわけではない在留資格では、会社負担で取得した在留資格について、在留期間中の早期退職があった場合の取扱いを社内制度として定めている企業もあります。
その一方で、採用競争力や定着を重視し、退職時の取扱いを特に設けず、福利厚生の一環として会社負担としている企業もあります。
このように、在留資格費用の負担方法に一律の正解はありません。
どの費用を会社が負担するのかという点にも、その企業の採用方針や人事戦略が反映されているといえるでしょう。
在留資格費用の負担を考えるときは、どの在留資格であるかという点も重要になります。
例えば、技術・人文知識・国際業務ビザは、転職後も一定の条件のもとで引き続き在留できることがあります。
一方で、
などは、申請時の会社や活動内容を前提として許可される在留資格です。
そのため、転職する場合には、在留資格の変更など別の手続きが必要になることがあります。
このように、在留資格によって制度の前提が異なるため、費用負担の考え方も変わることがあります。
外国人社員の在留資格費用については、外資系企業と日系企業で考え方が異なる場合があります。
もっとも、「外資系企業は本人負担」、「日系企業は会社負担」という単純な話ではありません。
実際には、
などをどこまで会社が負担するかは企業ごとに異なります。
一般的には、外資系企業では本人負担としている企業も少なくありません。一方で、優秀な外国人社員の採用や定着を重視し、会社負担としている外資系企業もあります。
また、日系企業でも、
など考え方はさまざまです。
そのため、「外資系だからこう」「日系企業だからこう」ではなく、その会社が外国人採用をどのように位置付けているのかという人事戦略の違いが大きく影響します。
在留資格の申請費用については、新規取得、更新、変更などによっても考え方が変わります。
また、
についても、採用方針や社内制度との整合を考える必要があります。
特に会社負担とする場合には、「なぜ会社が負担するのか」を社内で合理的に説明できることが重要になります。
例えば、
など、会社としての考え方が整理されていれば、社内でも理解を得やすくなります。
重要なのは、会社負担か本人負担かではなく、会社としてどのような考え方で制度を運用するのかを説明できることです。
人事担当者にとっては、採用競争力、定着、社内公平性、コンプライアンスなどを踏まえながら、役員や管理職、社員に説明できる制度設計になっていることが重要になります。
在留資格の申請費用については、会社負担と本人負担のどちらが正しいという一律の答えはありません。
また、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、高度専門職、特定活動46号など、在留資格によって前提となる制度も異なります。
重要なのは、「会社が負担するべきか」だけではなく、「どの在留資格について、どの費用を、どのような考え方で負担するのか」を会社として整理しておくことです。
当事務所では、在留資格の申請手続きだけでなく、外国人雇用における制度運用や費用負担の考え方についてもご相談をお受けしています。
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