「経営管理ビザを取りたいんですけど、資本金は500万円あります!」
こんなご相談をよくいただきます。でも実は、それだけでビザがもらえるわけではありません。
このビザでは、「実際に経営や管理の仕事をしていること」がとても重要なんです。たとえば、会社の方針を決めたり、日々の業務の進め方を考えたりするような、責任ある立場で働いていることが必要です。
さらに、「きちんとオフィスや店舗があること」など、いくつかの条件を満たす必要があります。そしてもちろん、日本の法律にしたがって、事業者としてのルールを守ることも大切。ビザの更新時には、これらが継続できているかどうかもチェックされます。
今回のブログでは、こうした「経営・管理ビザ」のポイントを、入管が公表しているガイドラインに沿って、「実際に働くこと」「オフィスや店舗について」「事業者のルール」など、やさしく解説していきます。ビザ取得を目指す方は、ぜひ最後までご覧ください!
経営管理ビザを申請する際に大前提となるのが、申請者自身が本当に経営の仕事に関わっていることです。これは一見、当たり前のことのように思えるかもしれませんが、実際の審査では非常に重要なポイントであり、意外と見落とされやすい部分でもあります。
たとえば、実際には経営に関わるつもりがないのに、とりあえずビザが欲しいからという理由で、500万円以上の会社を買って、名義だけ「社長」になって申請するケースもあります。しかし、そういった場合、多くのケースでは「自分のビジネスの内容を明確に説明できない」ような状態です。このような状態で申請しても、不許可になってしまうでしょう。
一人で完結するビジネスも注意が必要
また反対に、自分一人で回せてしまうような小規模なビジネスも、経営管理ビザの観点からは不利になることがあります。
典型的な例が「オーナーシェフ」としての働き方です。たとえば、自分がレストランのオーナーでありながら、厨房に立って毎日料理をしているようなスタイルの場合、「経営者」ではなく「料理人」として見なされることがあります。そのため、経営管理ビザの審査ではマイナスに評価される可能性があります。
給料の設定も審査のポイントに
さらに見落とされがちなのが、「経営者としての報酬(給料)」です。経営管理ビザを申請する人が、日本で生活できるだけの収入を得られる見込みがあるかという点も、審査では重視されます。
既存の会社で社長として働く場合、給料が極端に低いということは少ないでしょうが、新しく会社を作って申請するケースでは、会社の利益を優先するあまり、自分の報酬を低く設定してしまうことがあります。このような場合、「その収入では日本での生活が難しい」と判断され、不許可になることもあります。
そのため、少なくとも新卒の初任給程度の報酬が支払われる計画を立てることが望ましいとされています。
経営管理ビザを取得するためには、ビジネスの「拠点となる場所」が実際に存在することが重要です。ただし、どんな場所でもよいわけではなく、「専用の、実体ある事務所」であることが求められます。
バーチャルオフィスやオープンスペースはNG
たとえば、住所だけ借りるバーチャルオフィスや、他の利用者と区切りのないカフェのようなオープンスペースでは、「専用のオフィス」として認められません。また、机と椅子だけのコワーキングスペースで会社を登記している場合、その場所ではビザが不許可になる可能性が高いです。
レンタルオフィスを使う場合の注意点
レンタルオフィスを利用する場合も、以下のような条件を満たす必要があります。
適切なレンタルオフィスの例
このように、「他の会社ときちんと区切られている専用の空間」でなければ、ビザ申請は難しくなります。
飲食店や店舗の場合は「事務スペース」が必要
飲食店や小売店などの店舗と、会社の登記住所が同じであっても問題ありませんが、その場合は次の点に注意が必要です。
カギ付きの事務室ドア
厨房や客席だけでは、「経営のための事務スペースがない」と判断されてしまうことがあります。店舗内から見た事務スペースの画像や独立した間取りであることがわかる図面を一緒に提出することが重要です。
アパート・マンションを使う場合のポイント
アパートやマンションを事務所として使う場合には、以下の点がチェックされます。
自分の住所兼オフィスとする場合には、「玄関から生活スペースを通らずにオフィスにしている部屋へ行ける作りになっているか」も厳しく審査されます。
経営管理ビザの審査では、ビジネスの内容やオフィスの状態だけでなく、経営者としての責任やルールをきちんと守っているかどうかも重要なポイントになります。
業種に応じた免許・許可は取得済み?
ビジネスの種類によっては、あらかじめ必要な免許や許可を取得しておくことが義務づけられています。これらがなければ、たとえ会社を作っていても、ビザの許可はおりません。
たとえば以下のようなケースがあります:
経営管理ビザの申請時には、これらの許可がきちんと取得されているかどうかが確認されます。
特に重視される2つの法令遵守
入管が示しているガイドラインの中では、以下の2点が特に重視されるとされています。
いわゆる脱税や税金の滞納がないことが求められます。
社員とのトラブル(労働事件)を起こしていないことや、 健康保険・年金などの保険料の支払いに問題がないことが必要です。
こうした「会社としての義務や責任」が守られていない場合、事業内容がどんなにしっかりしていても、ビザが不許可になることがあります。
ここまでご紹介してきたように、経営管理ビザの取得には、資本金の用意だけでなく、実際に経営に関わっていること、事業所の実態があること、そして事業者としての義務をしっかり果たしていることが求められます。
表面的な準備だけではビザは許可されず、「どれだけ真剣に日本で事業を行おうとしているのか」が審査で問われるのです。
「何から手をつければよいかわからない」「この計画で本当に許可が出るのか不安」
そんなときは、ビザ・在留資格の手続きを専門とする行政書士浜岡事務所にぜひご相談ください。
ビザの取得だけでなく、その後の事業継続や更新も見据えたサポートで、あなたの日本でのビジネススタートをしっかりと支えます。
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