永住者でも在留資格は見直されます|取消しの原因と制度改正について

永住者でも在留資格は見直されます|取消しの原因と制度改正について

永住者の在留資格は「無条件の地位」ではありません

永住者資格の取消しや制度見直しについて悩む外国人夫婦のイメージ

永住者は、在留期間の更新が不要で、就労や活動内容にも大きな制限がありません。
そのため、「一度永住を取得すれば、在留資格については心配しなくてよい」と誤解されがちです。

 

しかし、永住者であっても、出入国管理法に基づく在留管理の対象であることに変わりはありません。
一定の事情がある場合には、在留資格の取消しや変更が検討される制度は、従来から設けられてきました。

 

近年は、この点について、どのような場合に、どのような考え方で判断するのかということが、法律上より明確に位置づけられています。


永住者の在留資格が見直される主な原因

法律で定められた義務を守っていない場合

永住者は在留期間の更新義務はありませんが、在留カードに関する手続や住居地の届出など、法律で定められた義務を負っています。
たとえば、

  • 住所が変わったにもかかわらず、正当な理由なく届出をしていない
  • 実際とは異なる住所を届け出ている

といった事情がある場合には、在留状況の判断に影響することがあります。

永住許可を受けた前提が虚偽だったことが判明した場合

永住者資格は、一定の条件を満たしていることを前提として許可された在留資格です。
そのため、

  • 申請時に重要な事実について虚偽の申告をしていた
  • 不正な手段によって永住許可を得ていた

といった事情が後から判明した場合には、在留資格の見直しが問題になります。
単なる誤りではなく、虚偽や不正があったかどうかが判断のポイントになるといえます。

刑罰法令違反など、重大な法令違反がある場合

永住者であっても、

  • 窃盗や詐欺などの故意による犯罪
  • 危険運転致死傷などの重大な刑事事件

といった法令違反がある場合には、在留資格の取消しや退去強制の対象となることがあります。
一方で、過失による交通事故や軽微な違反、罰金刑のみで直ちに問題になるわけではありません。
内容・回数・経緯などを踏まえて、個別に判断されます。

税金・社会保険料を意図的に支払っていない場合

税金や社会保険料などの公的負担は、日本で生活するうえでの基本的な義務です。

  • 支払義務があることを理解している
  • 支払能力がある
  • それにもかかわらず、あえて支払わない

といった事情が認められる場合には、在留状況が良好とはいえないと判断されることがあります。
病気や失業など、やむを得ない事情がある場合には、その経緯や本人の対応状況を踏まえて判断されます。

在留資格が見直された場合の扱い

在留資格の取消事由に該当した場合でも、直ちに出国を命じられるとは限りません。
多くの場合、

  • 永住者以外の在留資格への変更
  • 定住者などへの変更

が検討されます。
ただし、今後も公的義務を果たす意思がないと判断される場合や、犯罪傾向が強いと判断される場合には、例外的な扱いとなることもあります。

2027年施行の法改正と、2026年のガイドライン提示

永住者の在留資格の取消しについては、従来から存在していた枠組みが、法律上より明確に位置づけられました。
改正された出入国管理法では、

  • 税金や社会保険料を故意に支払わない場合
  • 法令違反を繰り返すなど、生活態度が著しく不適切な場合

には、永住許可を取り消すことができる規定が設けられています。
この改正法は、2027年4月1日施行とされています。

 

また、この取消し規定の具体的な運用については、2026年夏にガイドライン案が決定される方向で調整されていると報道されています。

永住許可要件の見直し議論との関係

永住者制度をめぐっては、永住許可を与える段階での要件についても見直しの議論が行われています。
現在、検討されている内容としては、

  • 一定以上の日本語能力
  • 収入要件の引き上げ
  • 日本語や日本の生活ルールに関する教育受講を、審査要素として位置づけること

などが挙げられています。
これらは現時点では検討段階にとどまっており、制度として決定したものではありません。

まとめ

永住者資格は、日本で安定した生活を送ることを前提に認められた重要な在留資格です。
一方で、無条件に保証され続ける地位ではありません。

 

制度の整理や運用の明確化により、これまで意識されていなかった点が問題になる可能性もあります。
少しでも不安がある場合は、問題が表面化する前に、状況を整理しておくことが重要です。

 

24時間受付可能です。

翌日中には返信いたします。

(土日祝日除く)

初回のご相談は無料です。

電話でのご相談は 03-6697-1681 

(受付時間:平日 9:30~17:30)

行政書士浜岡事務所

hamaoka-gyousei.com

東京都新宿区四谷三栄町2-14

TEL:03-6697-1681