
最近の報道(2025年11月下旬〜12月中旬)では、永住者の許可に関する制度について、複数の見直し案が検討されていると伝えられています。
報道では、
といった点が取り上げられています。
本記事は、当事務所が公開している「現在、見直しや変更が検討されている入管で行う主な手続きシリーズ」第4回として、永住者への在留資格変更許可申請について、2025年11月末時点の現行制度と、報道されている検討内容を切り分けて整理します。
前回の記事(第3回)では、在留資格変更許可申請について「新規取得とほぼ同等の審査」が行われる点を解説しました。
一方で、永住者への在留資格変更許可申請(いわゆる永住申請)は、その延長線上にある手続きではありません。
永住申請は、
とは異なり、将来にわたって在留期間の制限を設けない在留資格を与えるかどうかを判断する手続きです。
そのため、入管実務上もこれまでの在留資格変更より、さらに慎重な判断が行われる手続きとして位置づけられています。
2025年11月末時点における永住許可の制度では、法律・ガイドライン上、主に次のような観点から審査が行われています。
永住申請は制度上「在留資格変更」の一種ではありますが、実務上は在留実績の総合評価に近い審査が行われる点が特徴です。
● 11月20日の報道
永住許可時の手数料を、現在の1万円から10万円以上に引き上げる案が検討されていると報じられています。
● 11月28日の報道
手数料を30万円まで引き上げる案も選択肢として検討されているとされています。
● 12月4日の報道
永住許可要件の一つとして運用されてきた、「在留資格の在留期間が3年であることを最長扱いする考え方」について、廃止を検討している、との報道がありました。
ただし、この点については、一次情報が現在確認出来なくなったため、取り扱いにご注意ください。
● 12月19日の報道
永住許可の条件として、一定の日本語能力を求めることを検討している、との報道がありました。
一定の日本語能力が、どのようなレベルまたは日本語試験の等級に該当するのかなどは今現在では報道されていません。
ここで重要なのは、「報道されている内容」と「現在の制度」を混同しないことです。
いずれも 検討・議論段階の報道 にとどまっています。
永住申請を検討する際には、出入国在留管理庁からの正式な公表や、法令改正の有無を必ず確認する必要があります。
本シリーズでは、
という流れで、入管手続きの全体像を整理してきました。
永住申請は、これまでの在留の積み重ねを踏まえ、日本での長期的な生活が認められるかどうかを判断する、非常に重い手続き です。
最近は報道も多く、「制度が変わるのではないか」「今後どうなるのか」と不安を感じている方も少なくないと思います。ただ、現時点では、確定した制度変更と、検討段階の情報を冷静に切り分けること が何より重要です。
本シリーズが、ご自身の立場や状況を整理するための一助となっていれば幸いです。
永住申請について、
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