経営管理ビザの在留期間更新をスムーズに進めるために

計画を考えているシーンのイメージ

経営管理ビザの在留期間を更新する場合、申請者本人の在留状況から経営している事業の状態まで、多くの点が審査されます。このページでは、新しい経営管理ビザの条件に基づいて更新を行う際の重要ポイントを、できるだけわかりやすく説明します。

 


新しい条件と猶予期間

2025年10月から、経営管理ビザの条件が大きく変更されました。
主な変更点としては、資本金の最低額が引き上げられたことや、従業員の雇用が義務付けられたことなどがあります。
経営管理ビザの在留期間を更新する場合も、基本的にはこの経営管理ビザの新しい条件に合っていることが求められます。

 

ただし、旧条件でビザを取得している方については特例が設けられており、2028年10月までの3年間が猶予期間となっています。この猶予期間中に、新しい条件を満たすように事業内容や経営体制を整えていく必要があります。
ここで注意すべきなのは、猶予期間があるからといって「何もしなくても更新できる」というわけではない点です。更新を続けるためには、新しい条件にどうやって合わせていくのかを示すことが求められます。たとえば、事業計画書や将来の見通しを準備し、入管に対して説明できるようにしておくことが重要です。

在留状況と生活面でのチェック

経営管理ビザの更新では、新しい条件に合っているかどうかだけでなく、申請者がこれまで日本でどのように生活し、どのようにビジネスを続けてきたのかも大切な審査ポイントになります。
特に、次のようなケースにあてはまると、更新が不許可になる可能性が高くなります。

  • ビジネスの大部分を外部の業者に任せきりにしている場合
  • 特別な理由がないのに、長期間日本を離れている場合

さらに、申請者本人や経営する会社がきちんと納税しているかも確認されます。個人としては、健康保険料や年金をきちんと支払っているかどうかも重要なチェック項目です。

事業の継続性と収支の審査ポイント

審査では「事業の継続性」も重視されます。これは、今後も安定して事業が続けられるかどうかを判断する基準です。

1. 決算内容による基本的な判断

  • 黒字決算が続く場合 → 継続性ありと判断されやすい
  • 赤字でも欠損金がない場合(例:1期のみ小幅赤字) → 条件付きで継続性ありとされることがある
  • 赤字かつ累積欠損金がある場合 → 継続性が乏しいと判断されやすい
  • 債務超過(純資産マイナス)の場合 → 厳格な審査となり、許可は難しい

※「欠損金(累積赤字)」と「債務超過(純資産がマイナス)」は異なる概念です。

2. 赤字決算の場合

  • 1期だけの赤字 → 一時的な不調として扱われる可能性あり
  • 連続して慢性的な赤字 → 継続性が否定されやすい

ただし、将来の収益見込みや改善計画を合理的に示せれば、許可の余地は残されます。

3. 救済的判断を受けるために必要な資料

一時的な赤字であっても、次のような書類を提出することで事業継続性が認められる場合があります。

  • 事業計画書(売上予測・改善策など。中小企業診断士などの確認が必要)
  • 契約書(販売契約や仕入契約など、収益増加の裏付けになるもの)
  • 融資実行や増資を証明する書類

これらを示すことで「一時的な赤字だが改善可能」と説明することができます。

更新手続きに必要な書類

経営管理ビザの更新に必要な書類は、事業の規模(カテゴリー)によって異なります。

 

カテゴリー 該当する会社の具体例
カテゴリー1 株式を上場している企業、保険業を営む相互会社、または公官庁など
カテゴリー2 給与所得の源泉徴収票合計表の源泉徴収税額が1,000万円以上ある会社など
カテゴリー3 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表を提出した会社など
カテゴリー4 カテゴリー1から3に該当しない企業など(創業してすぐの会社など)

すべてのカテゴリーに共通する基本書類

在留期間更新許可申請書
証明写真(交付申請書にデータ貼付で印刷でも可)
パスポート及び在留カード

カテゴリー1で追加する書類

下記の書類・資料のいずれか

  • 四季報の写し又は日本の証券取引所に上場していることを証明する文書
  • 主務官庁から設立の許可を受けたことを証明する文書
  • 高度専門職省令第1条第1項各号の表の特別加算の項の中欄イ又はロの対象企業(イノベーション創出企業)であることを証明する文書
  • 独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)により対日投資支援企業として認定された企業(コワーキングスペースを事業所としている企業を除く。)であることを証明する文書
  • 一定の条件を満たす企業等」であることを証明する文書

カテゴリー2と3で追加する書類

前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表

カテゴリー3と4で追加する書類

・ 直近の年度の決算文書の写し
・ 当該事業を法人において行う場合には、当該法人の登記事項証明書の写し
・ 事業を営むために必要な許認可の取得等をしていることを証明する下記の資料

  1. 申請に当たっての説明書(参考様式のPDF
  2. 許認可の取得等をしていることを証する許可書等の写し

・ 常勤の職員が一人以上であることを明らかにする当該職員に係る賃金支払に関する文書及び住民票その他の資料
・ 日本語能力を明らかにする下記の資料

  1. 申請に当たっての説明書(参考様式のPDF
  2. 日本語能力を有する者(申請人を除く。)の住民票
  3. 経営者又は常勤の職員が日本語能力を有することを証する次①か②の資料
    1. 試験により証明する場合には試験の合格証、成績証明書 1通
    2. その他の方法により証明する場合には日本語能力を有する者の身分及び経歴を証する資料(卒業証明書等) 1通
  4. 日本語能力を有する者が常勤の職員(申請人を除く。)である場合は、当該職員に係る賃金支払に関する文書

・ 直近の在留期間における事業の経営又は管理に関する活動内容を具体的に説明する文書[任意の様式](前回の在留申請時から変更がある場合はその理由の説明を含む)

  1. 住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)
  2. ※ 1月1日の住所がある区役所・市役所・役場から発行されます。
    ※ 1年間の総所得及び納税状況(税金を納めているかどうか)の両方が記載されている証明書であれば、いずれか一方のみ提出します。

・ 所属機関における公租公課の履行状況を明らかにする次の資料

  1. 申請に当たっての説明書(参考様式PDF)1通
  2. 公租公課の履行を証する次のいずれかの資料
  3. 所属機関が法人である場合
    1. 労働保険への加入状況及び当該料金の納付状況を証する文書 各1通
    2. 社会保険への加入状況及び当該料金の納付状況を証する文書 各1通
    3. 国民健康保険への加入状況及び当該料金の納付状況を証する文書 各1通
    4. 源泉所得税及び復興特別所得税、法人税、消費税及び地方消費税に関する納税証明書 1通
    5. 法人住民税及び法人事業税に関する納税証明書 1通
    所属機関が個人である場合
    1. 労働保険への加入状況及び当該料金の納付状況を証する文書 各1通
    2. 社会保険への加入状況及び当該料金の納付状況を証する文書 各1通
    3. 国民健康保険への加入状況及び当該料金の納付状況を証する文書 各1通
    4. 源泉所得税及び復興特別所得税、申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税、相続税、贈与税に関する納税証明書 1通
    5. 個人事業税に関する納税証明書 1通

カテゴリー4のみ追加する書類

外国法人の源泉徴収に対する免除証明書その他の源泉徴収を要しないことを明らかにする資料

よくある質問(FAQ)

経営管理ビザの在留期間更新について、申請者の方からよくいただくご質問をまとめました。
実際の状況や必要書類は人によって異なりますが、基本的な考え方を知っておくことで準備がスムーズになります。

 

猶予期間中は新しい条件を満たしていなくても更新できますか?

猶予期間中であっても、そのままでは保証されません。3年間の間にどのように新条件を満たすかを計画として示すことが必要です。

 

赤字決算でも更新は可能ですか?

可能性はあります。事業計画や契約書、資金調達の証明などを提出して「今後改善できる」ことを具体的に説明することが大切です。

 

更新申請はいつからできますか?

在留期限の3か月前から申請が可能です。審査には2か月以上かかる場合もあるため、早めの準備をおすすめします。

 

日本を長期間離れていた場合、更新は不利になりますか?

はい、正当な理由がなく長期間日本を離れていると、経営管理活動をしていないと判断され、不許可となる可能性が高まります。

 

納税や社会保険料の未払いがあると更新できませんか?

原則として更新は難しくなります。法人・個人ともに納税義務や社会保険料の支払いを適切に行っているかが審査で重視されます。

 

従業員を雇用していない場合でも更新は可能ですか?

新しい条件では、従業員雇用が基本要件とされています。雇用していない場合は不許可になる可能性が高いため、計画的に雇用体制を整えることが重要です。

 

必要書類は事業規模によって変わりますか?

はい。事業のカテゴリーごとに必要な追加書類が異なります。共通書類に加え、決算書や従業員の給与関連資料、日本語能力の証明などが求められる場合があります。

 

更新が不許可になった場合、再申請はできますか?

不許可となった理由を改善すれば再申請は可能です。ただし改善計画を十分に整えてから臨むことが必要です。

 

経営管理ビザの更新はケースによって必要な準備が異なります。ご不安な方は、ぜひ当事務所までお気軽にご相談ください。

 

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