技能実習ビザとは母国の経済発展のために、日本で働きながら技能・技術を習得してもらうことを目的とした在留資格です。指定された職種・作業内容の実習を行うことができ、在留期間は通算で最長5年となります。ここでは技能実習の制度の概要、申請書類、注意点などについて説明いたします。
技能実習ビザの申請では、ビザ申請者に一定の学歴や経歴などの条件は必要ありません。
18歳以上30歳程度までの、健康な方が対象者です。
対象となる国・地域
原則すべての国・地域が対象となります。
ベトナム、カンボジア 、インド、フィリピン、ラオス 、モンゴル、バングラデシュ 、スリランカ 、ミャンマー、ブータン、ウズベキスタン 、パキスタン 、タイ、インドネシア
技能実習では日本入国後から下記の段階を通じて実習を継続してゆくことになります。それぞれの段階で在留期間が定まっており、在留資格の名前が技能実習1号、2号、3号と変わってゆきます。そして技能実習ビザでの在留期間は、各段階を通算して最大で5年間となります。
1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 |
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技能実習1号 | 技能実習2号 | 技能実習3号 |
2020年10月現在、技能実習2号の実習先となるのは、82職種・150作業。同3号の対象は、75職種・133作業となっています。2号から3号へ変更する際には同じ職種であることが条件です。3号の対象が2号よりも少なくなっていますので、実習する対象によっては、希望しても3号へ変えられない場合もありますのでご注意ください。
また技能実習2号または3号を修了すると、同じ職種ならば特定技能1号へ試験が免除され、在留資格の変更をすることが可能になります。
適正な技能実習が行われるために、監理団体と受入企業などを対象として禁止行為が定められています。
実習監理者等(実習の監理を行う者またはその役員・職員)は、暴行・脅迫・監禁等により技能実習生の意思に反して技能実習を強制してはなりません(技能実習法46条)。
実習監理者等は、技能実習に関する契約不履行について、違約金を定め損害賠償額を予定する契約をしてはなりません(同47条1項)。
実習監理者等は、技能自習契約に付随して貯蓄・貯蓄金管理の契約をさせてはなりません(同47条2項)。
技能実習関係者(技能実習を行わせる者もしくは実習監理を行う者またはその役員・職員)は、技能実習生の旅券・在留カードを保管してはなりません(同48条1項)。
技能実習関係者は、技能実習生の外出その他の私生活の自由を不当に制限してはなりません(同48条2項)。
在留資格の申請で必要となる書類をご案内いたします。なお、下記の書類は必要となる最小限の書類であり、個別の案件によっては、別途書類を追加で提出するよう指摘を受ける場合もあります。
1 在留資格認定証明書交付申請書 1通
2 写真(縦4cm×横3cm) 1葉
3 返信用封筒(定形封筒に宛先を明記の上,送料分の切手(簡易書留用)を貼付したもの) 1通
4 技能実習法第8条第1項の認定(技能実習法第11条第1項の規定による変更の認定があったときは、その変更後のもの。)を受けた技能実習計画に係る技能実習計画認定通知書及び認定の申請書の写し 1通
申請に係る在留資格が技能実習法第2条第2項及び第4項各号に規定する技能実習の区分に対応するものに限ります(技能実習1号イの申請の場合は第1号企業単独型技能実習の技能実習計画に係る技能実習計画認定通知書及び認定の申請書の写し)。
技能実習制度では、実習生は期間中に原則的に転職ができません。
実習先の企業に不正があった場合を除き、基本的には転職ができない仕組みとなっています。もし実習先の企業の不正などで転職する場合も、転職先は同じ職種で技能実習生を受け入れているところ限られてしまいます。
技能実習2号の修了または3号を修了した時には、「特定技能1号」への資格変更が可能です。
在留資格「特定技能」は、日本国内で人手が足りないとされる14の業種に即戦力として外国人労働者を受け入れる制度です。通常は日本語の試験と職種に必要な技能について2つのテストを合格しなければならないのですが、技能実習2号を修了した人で技能検定3級試験に合格し、実習した同じ職種であれば、その試験を受けることなく特定技能のビザが取得できます。
技能検定以外にも、実習先から実習中の出勤状況や技能等の修得状況や生活態度等を記載した評価に関する書面で、技能実習2号を良好に修了したと認められる場合も含みます。