
研修ビザ(在留資格)は、外国人が日本で 報酬を受けずに研修や講義を受けるための制度です。研修内容は分野によって異なり、企業の技術研修、医療機関での見学研修、公的機関の研修などが対象になります。
共通して求められるのは、
の3点です。
研修生は給与を受け取ることはできませんが、研修を円滑に実施するための住居提供、食費補助、交通費の実費支給、教材の提供などは認められています。
研修の内容は幅広く、分野によって活動できる範囲も異なります。おもな研修の例は下記のようになります。
海外拠点の社員などが、日本の技術や業務を理解するための研修です。講義や見学形式が中心となり、業務補助につながる実務は行いません。
外国人医師や医療従事者が、日本の医療技術や診療の考え方を学ぶ研修です。医療行為はできませんが、見学や症例研究などは広く認められています。
政策研修や国際協力関連の研修など、内容によっては一定の実務を含む研修もあり得ます。
ただし、あくまで研修であり、報酬を受け取らないことが前提です。
たとえば生産工程の一部を担当するなど、研修の実態が実際の労働に該当するかどうかということが問題になります。
民間の研修で一般的に行われている OJT(職場内での実務指導) などの職場訓練については、その性質上、実際の労働にあたるとみなされます。
この他にも研修先について不正行為に関する規定、経営者・管理者や研修指導員などに関する欠格事由(NGの要件)などの規定があります。
研修ビザの審査では、次の要件が特に重視されます。
給与や報酬の支給は不可です。
ただし、 住居の提供、食費・交通費の補助、教材の提供 など、研修に必要な実費補填は認められます。
研修内容が研修生の専門性や職歴と関連しているなどの資料も必要です。
研修項目、日程、教材、担当者の説明など、客観的な説明が求められます。
研修内容に対して期間が長すぎる場合は不自然と判断されます。
研修ビザの新規申請で必要となる書類をご案内いたします。
なお下記はあくまでも申請に必要な最低限の書類です。申請する内容によってに追加で他の書類提出を求められる場合もあります。
1 在留資格認定証明書交付申請書
2 顔写真(たて4㎝ よこ3㎝) 1枚
※写真は申請書の写真欄にデータで貼って直接印刷したものでも受け付けてもらえます。ただし決まっている写真の規格に合うものをご使用ください。
3 履歴書(職務経歴も含みます)
4 研修の内容、必要性、実施場所、期間及び待遇を説明する文書
(1) 招へい(招待する)理由書(修得する技能等、招へいの経緯、研修の必要性等について記載した文書、書式は自由です) 1通
(2) 研修実施予定表(様式が定められています) 1通
(3) 研修生処遇概要書(参考書式があります) 1通
(4) 日本国外で研修を実施した場合は、その研修に関する次の資料
ア 日本で行う研修との関係を立証する資料1通
イ 研修した団体や会社の名称、所在地、研修施設等日本国外で事前に研修を実施した団体や会社の概要を明らかにする資料1通
ウ 研修内容、研修時間、研修期間、研修指導員等実施した研修の内容を明らかにする資料1通
この日本国外での研修は、入国予定日前6か月以内に1か月以上の期間で、そして160時間以上実施された非実務の研修が該当します。
5 研修が終了して帰国した後に、この研修で修得した技能等を使う業務に従事することがわかる次のいずれかの文書
(1) 研修生派遣状(本国の所属先が作成した、帰国後の申請人の地位と職種に関する記載があるもの 書式は自由) 1通
(2) 復職予定証明書(本国の所属先が作成した、申請人の現在の地位と職種に関する記載があり、帰国後に復職する予定であることについての証明書です。書式は自由) 1通
6 研修指導員履歴書(職務経歴を含む、書式自由) 1通
申請する研修の内容について、指導員になる人が教える技能などに関する職歴があることを履歴書で証明します。
研修指導員は、申請人を受け入れる団体や会社常勤の職員で、修得しようとする技能等について5年以上の経験を有する人が対象になります。
7 送出し側になる元の所属先(準備機関)の概要を明らかにする次の資料
(1) 準備機関概要書(様式が定められています) 1通
(2) 準備機関の案内書又は会社を登記・登録していることを証する公的な資料 1通
最新の内容(登記事項)が反映されたもの
準備機関とは申請人が国籍又は住所を有する国の所属先やその他申請人が日本で行おうとする活動の準備に関与する外国の団体や会社をいいます。
8 日本で研修をする団体や会社の登記事項証明書、損益計算書の写しなど
(1) 研修をする団体や会社の概要書(会社や団体の状況、研修事業の実績等について記載した文書 ※参考書式があります) 1通
(2) 登記事項証明書(履歴全部事項証明書)又は会社や団体の概要が分かるパンフレット等 1通
(3) 損益計算書、貸借対照表等 適宜
9 あっせん機関(研修を受ける人と、研修をする団体や会社の間に人材紹介エージェントなどが介在している)がある場合は、その概要を明らかにする次の資料
(1)あっせん機関概要書(あっせん機関の状況、研修あっせん事業の実績等について記載した文書) 1通
(2)登記事項証明書(履歴全部事項証明書)又はあっせん機関の概要が分かるパンフレット等 1通
(3)損益計算書、貸借対照表等 適宜
当事務所では、ヒアリングを通じて申請許可の可能性や申請する人の事情に合わせて必要書類以外にも別途用意すべき書類、手続きの必要時間見込みなど、許可が下りるまで都度アドバイスをさせていただきます。
研修ビザは、説明不足により不許可となるケースが多い制度です。
代表的な不許可事例は次のとおりです。
ポイントは、“研修として妥当であることを客観的に説明すること” に尽きます。
研修ビザの審査が厳しく行われている背景には、過去に「研修」と称しながら、実際には労働者として不適切に受け入れていた事例が多数摘発されたことがあります。
このような経緯から、同様の違反を防止するため、研修ビザの申請では無報酬であること、そして民間企業で行われる研修が実務(作業)を伴わない内容であることの確認が特に重視されています。
研修ビザは、制度の特性や分野ごとの違いにより、申請前に確認しておくべき点が数多くあります。
ここでは、企業・医療機関・公的機関の担当者から寄せられる代表的なご質問をまとめました。
できません。研修(在留資格)は無報酬が原則で、給与・手当の支給は認められていません。ただし、住居の提供や食費・交通費などの実費補助は可能です。
基本的にはできません。講義・説明・見学形式の研修に限定され、業務補助や生産活動とみなされる行為は認められません。
法律上、医療行為は一切行えません。設備見学や症例研究、講義など、教育的な内容に限られます。
あります。研修の性質によっては、一定範囲の実務が研修として組み込まれる場合があります。ただし、報酬を受けないことが前提です。
名目や金額、支給方法によっては給与性と判断されることがあります。住居提供・食費補助などは「実費補填」として整理することが重要です。
研修項目、日程、担当者、教材、研修の狙いなどを客観的に説明できるレベルで具体的に記載する必要があります。
内容によりますが、目的に対して過度に長い期間は不自然と判断され、不許可の可能性があります。
研修内容に関連する基礎知識や学習経験が必要です。背景と研修内容の整合性が弱い場合は許可が難しくなります。
研修ビザの申請は、研修内容の整理・計画書の作成・補助内容の設定など、事前準備が非常に重要です。
当事務所では次のようなサポートを行っています。
研修生の受入れをスムーズに進められるよう、申請全体をサポートいたします。

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