定住者ビザ (Long-Term Resident) とは

家族4人で歩いている後ろ姿

定住者ビザは申請者の特別な理由に基づいて、5年を超えない範囲で在留期間を指定して(期間更新は可能です)発行される在留資格です。就業も可能で、業種や職種の規制を受けずに働くことができます。
ここでは定住者ビザの種類と手続きや永住者ビザへの変更などもお伝えします。
なお定住者ビザは、法務大臣が告示によって類型を定めたもの(通称:告示定住)と、それ以外の個人の特別な理由に基づいて認められるもの(通称:告示外定住)の2種類があります。

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告示定住とは

告示定住には7つの類型が定められています。
日系2世や3世の方、その方の配偶者などから、中国残留孤児の方についてのビザが規定されています。
(1号から8号までありますが、2号は既に削除されてます。)

定住告示(1号):ミャンマー難民の人

インド、インドネシア、カンボジア、シンガポール、スリランカ、タイ、大韓民国、中華人民共和国、ネパール、パキスタン、バングラデシュ、東ティモール、フィリピン、ブータン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、モルディブ、モンゴル又はラオス国内に一時滞在している人で、同時に国連難民高等弁務官事務所が保護の必要を認定し日本に対して保護の推薦をする人のなかで、下記のいずれかの要件にあてはまる方

  • イ 日本社会への適応能力があり、生活を営むに足りる職に就くことが見込まれる人。その方の配偶者と子供、両親、または未婚の兄弟姉妹。
  • ロ イの定住者の方が、日本に入国する直前まで一時滞在していた国にいるその親族の人(親族間で相互に扶助ができる方に限られます)。
定住告示(3号) : 日系2世、3世の人

日本人の子として出生した者の実子の人が対象者になります。

  • 日系3世:日本人のお孫さん (祖父母が日本国籍を離脱した場合で、離脱前に父・母が生まれていた場合も含みます。)
  • 日系2世:元日本人の親が日本国籍を離脱した後に生まれた人 (元日本人とは、日本人の実子として生まれた方で日本国籍を離脱した人です。)
定住告示(4号): 日系3世の人

祖父母が日本国籍を離脱した後に生まれた実子を親とする子供が対象者です。

  • 日系1世(祖父母)が日本国籍を離脱した後に生まれた、2世の子ども(3世)にあたる人。

3世の方から見て、父母の誕生が祖父母の国籍離脱前なら定住告示3号、離脱の後なら定住告示4号となります。

定住告示(5号): 定住者の配偶者
  • (5号イ)日本人の配偶者等の在留資格をもって在留する人で、日本人の子として出生した人の配偶者 日本人の配偶者等の在留資格の人で日本人の子として出生した人)とは日系2世の方を意味します。なお第3号での日系2世に該当する方は除きます。
  • (5号ロ)定住告示3号と4号以外(日系人以外)の1年以上の在留期間がある定住者の配偶者
  • (5号ハ)定住告示3号と定住告示4号の定住者(日系2世または3世の人)の配偶者
定住告示(6号): 子どもの定住者(未成年で未婚の子ども)
  • (6号イ)日本に帰化した人の子供、または海外で出生した永住者または特別永住者の子供であり、日本で扶養を受けて生活する未成年で未婚の子供
  • (6号ロ)日系2世3世(定住告示3号と定住告示4号に該当する人)とその配偶者を除く1年以上の在留期間を指定されている定住者から、日本で扶養を受けて生活する未成年で未婚の子供
  • (6号ハ)日系2世3世(定住告示3号と定住告示4号に該当する方)とその配偶者で1年以上の在留期間を指定されている定住者の扶養を受けて生活する人から、日本で扶養を受けて生活する未成年で未婚の子供
  • (6号ニ)日本人、永住者ビザの人、期間1年以上の定住者ビザの人、またはその配偶者で、「日本人の配偶者等」か「永住者の配偶者等」ビザを持っている人が扶養する未成年で未婚のお子さん (よい表現ではないかもしれませんが、いわゆる「連れ子」の方です)
定住告示(7号): 6歳未満の養子

日本人、永住者ビザの人、定住者ビザの人の扶養を受ける6歳未満の養子の人です。

定住告示(8号): 中国残留孤児とそのご家族
  • (8号イ)かつて日本国籍を有し、昭和20年9月2日以前から引き続き中国の地域に居住されている方
  • (8号ロ)イに該当する方をご両親として、同年9月3日以降に中国の地域で出生し、引き続き居住されている方
  • (8号ニ)中国残留孤児の方の配偶者、未婚未成年の子ども、障害をもつお子さん など

ハ、及びニの詳細については省略しております。

告示外定住とは

申請する人の個人的で特別な理由によって定住者ビザが認められる場合を、「告示外定住」 と呼びます。許可の理由が個人的または特別なものなので許可基準は明確に示されてはいません。以下では告示外定住として認められることが比較的多い申請理由をご紹介します。

 

日本人と離婚(または死別)し、引き続き日本で暮らすことを希望する場合

この場合の離婚する対象は日本人の他に「永住者」、「特別永住者」、「定住者」なども含みます。この理由で定住者ビザが許可されるためには、下記のような事実をできるだけ多く確認できることが望ましいとされています。

  • 3年以上は普通の家庭生活を営んでいたこと
  • (離婚の場合は)原因が自分ではなく、相手側にあること
  • 有罪判決などの犯罪歴がないこと
  • 自分で生活できる資産や、収入を得る仕事をもっていること
  • 日本語を日常生活に差し支えない程度、使うことができること
  • 税金や社会保険料の滞納や不払いがなく、入管への届け出やビザの更新も適切に行っていること
日本人との結婚生活が事実上破綻している場合

この場合の対象は「日本人」の他に永住者、特別永住者、定住者などもを含みます。配偶者からの家庭内暴力などを受け続け、離婚前でもこれ以上の結婚生活が続けれらないと判断されるような場合です。

  • 正常な結婚生活が続いていたが、その後、家庭内暴力などによる相当な被害を受けたと認められること
  • 自分で生活してゆける資産や、収入を得る技能・技術(仕事)をもっていること
  • 税金や社会保険料に滞納や不払いがなく、入管への届け出やビザの更新も適切に行っていること
日本人の実子を日本で育てている

日本人の実子とは、生まれたときに父・母のどちらかが日本国籍を持つ人だったことを意味しています。子供自身が日本国籍を持っていなくてもかまいません。監護・養育とは、その子供と一緒に暮らして育てていることです。
下記のような条件が許可に必要とされる場合が多いと言えます。

  • その子どもを育てながら生活できる資産や、収入を得られる技能や技術(仕事)があること
  • 日本人との間に出生した子を監護・養育している人で、下記のどちらかにあてはまること

a)日本人の実子の親権者であること
b)これまで相当の期間、そのこどもを監護・養育していることがわかること

特別養子の離縁による定住や難民認定が不認定になった後の定住などの事例もございます。告示外定住をご検討の際はご相談ください。

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告示定住で申請に必要な書類

定住者ビザの申請では提出する書類が告示の類型ごとに定められています。
代表例として日系3世の方の在留資格認定証明書交付申請(新規取得)と在留資格更新許可申請で必要な書類をご案内いたします。

 

新規取得:在留資格認定証明書交付申請で必要な書類

  在留資格認定証明書交付申請書 1通
  写真(縦4cm×横3cm) 1葉
申請前3か月以内に正面から撮影された無帽,無背景で鮮明なもの。
 返信用封筒(定形封筒に宛先を明記の上,404円分の切手(簡易書留用)を貼付したもの 1通
 【市区町村の役所(役場)から発行してもらうもの】

  1. 祖父母(日本人)の戸籍謄本又は除籍謄本(全部事項証明書) 1通
  2. 婚姻届出受理証明書(祖父母と両親のもの) 各1通
  3. 出生届出受理証明書(申請人のもの) 1通
  4. 死亡届出受理証明書(祖父母と両親のもの) 各1通
  5. 本邦における同居者の住民票(世帯全員の記載があるもの) 1通

上記5は日本に住んでいる方と同居する場合にのみ、提出します。上記2~4は日本の役所に届出をしている場合にのみ提出します。上記1~5は発行日から3か月以内のものを提出して下さい。

 

 職業・収入を証明する書類

 

申請人が自ら証明する場合
 預貯金通帳残高証明書(申請人名義のもの) 1通
 雇用予定証明書又は採用内定通知書(日本の会社発行のもの) 1通
申請人に代わって滞在費用支弁者が日本にいる場合
  滞在費用支弁者の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの) 各1通

 

 その他

 

(1) 身元保証書 1通
身元保証人には通常、日本に居住している日本人又は永住者の人がなります。
(2) 申請人の犯罪経歴証明書(本国の機関から発行されたもの) 1通
(3) 祖父母及び両親の本国(外国)の機関から発行された結婚証明書 各1通
(4) 両親及び申請人の本国(外国)の機関から発行された出生証明書 各1通
(5) 申請人の本国(外国)の機関から発行された認知に係る証明書 1通
認知に係る証明書がある方のみ提出して下さい。
(6) 祖父母及び父母が実在していたことを証明する公的な資料 適宜(例:祖父母及び父母の旅券,死亡証明書,運転免許証等)
(7) 申請人が本人であることを証明する公的な資料 適宜(例:身分証明書(IDカード),運転免許証,軍役証明書,選挙人手帳等)
(8) 一定の日本語能力があることを証明する次のいずれかの証明書

在留期間「5年」を希望する場合に提出が必要となります(未成年者を除きます。)。

a 法務大臣が告示で定める日本語教育機関において6月以上の日本語教育を受けたことを証明する文書
b 日本語能力試験N2に合格したことを証明する文書
c 財団法人日本漢字能力検定協会が実施するBJTビジネス日本語能力テストJLRT聴読解テスト(筆記テスト)で400点以上を取得したことを証明する文書
d 学校教育法第1条に規定する学校(幼稚園を除く。)において1年以上の教育を受けたことを証明する文書

 

ビザの更新:在留資格更新許可申請で必要な書類

初めての更新で、会社に勤務している場合
 在留期間更新許可申請書 1通
 写真(縦4cm×横3cm) 1葉
申請前3か月以内に正面から撮影された無帽,無背景で鮮明なもの。
 市区町村の役所(役場)から発行してもらうもの

  1. 祖父母(日本人)の戸籍謄本又は除籍謄本(全部事項証明書) 1通
  2. 申請人の住民票(世帯全員の記載のあるもの) 1通
  3. 申請人又は配偶者の方(収入の多い方)の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの) 各1通

 【勤務先の会社から発行してもらうもの】

  •  申請人又は配偶者の方(収入の多い方)の在職証明書  1通

 パスポート 提示
 在留カード又は在留カードとみなされる外国人登録証明書 提示
 その他
(1) 身元保証書 1通

身元保証人には通常、日本に居住している日本人又は永住者の人がなります。

(2) 申請人の犯罪経歴証明書(本国の機関から発行されたもの) 1通

一度も入管当局へ提出したことがない人だけ提出します。

(3) 祖父母及び両親の本国(外国)の機関から発行された結婚証明書 各1通
(4) 両親及び申請人の本国(外国)の機関から発行された出生証明書 各1通
(5) 申請人の本国(外国)の機関から発行された認知に係る証明書 1通

認知に係る証明書がある方のみ提出します。

(6) 一定の日本語能力があることを証明する次のいずれかの証明書

在留期間「5年」を希望する場合に提出が必要となります(未成年者を除きます。)。

a 法務大臣が告示で定める日本語教育機関において6月以上の日本語教育を受けたことを証明する文書
b 日本語能力試験N2に合格したことを証明する文書
c 財団法人日本漢字能力検定協会が実施するBJTビジネス日本語能力テストJLRT聴読解テスト(筆記テスト)で400点以上を取得したことを証明する文書
d 学校教育法第1条に規定する学校(幼稚園を除く。)において1年以上の教育を受けたことを証明する文書

 

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告示外定住で申請に必要な書類

離婚後に配偶者ビザから定住者ビザへの変更を希望する場合などが「告示外定住者」への変更手続きとなります。しかしこの申請については、個人の個別で特別な理由で行われるので必要書類などは公表されていません。
よって最低限提出したほうが良いと考えられる書類をご案内いたします。

  • 在留資格変更許可申請書
  • 写真(縦4cm×横3cm)
  • 離婚後の在留を望む理由書
  • 離婚までの経緯を書いた説明書
  • 本人の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書
  • 本人の在職証明書、源泉徴収票など
  • パスポート(提示)
  • 在留カード(提示)

(身元保証人になってもらえる方がいれば)

  • 身元保証書
  • 身元保証人の方の身分証明書(写し)
  • 身元保証人の在職証明書
  • 離婚証明書、離婚を証明する戸籍謄本

上記の他にも個別の事情に合わせ、より定住の必要性を証明できる資料や、定住ビザを許可することに疑問を持たれないような資料を準備する必要もあります。まずは当事務所へお問い合わせいただければ幸いです。

 

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