在留特別許可とはどのような制度か

在留特別許可の申請書類を作成するイメージ

在留特別許可は、退去強制の対象となる外国人について、特別な事情がある場合に日本での在留を認めることができる制度です。

 

通常、退去強制事由に該当する外国人は日本から退去することが原則となります。しかし、個々の事情を考慮した結果、日本での在留を認めることが適当と判断される場合には、例外的に在留が許可されることがあります。
その判断は法務大臣の広範な裁量に委ねられており、在留特別許可をするかどうかについては、個々の事案ごとにさまざまな事情を総合的に考慮して判断されます。

 

そのため、一定の条件を満たせば必ず許可される制度ではなく、個別の事情を踏まえて判断される制度です。

 


在留特別許可の判断で考慮される主な事情

在留特別許可を認めるかどうかは、個々の事情を総合的に考慮して判断されます。
入管法では、判断の際に考慮される事情として次のようなものが挙げられています。

  • 日本での在留を希望する理由
  • 家族関係
  • これまでの素行
  • 日本に入国することとなった経緯
  • 日本での在留期間とその間の法的地位
  • 退去強制の理由となった事情
  • 人道上の配慮の必要性

さらに、国内外の社会情勢や不法滞在者への影響なども含め、さまざまな事情が総合的に考慮されます。

家族関係はどのように考慮されるのか

在留特別許可の判断では、家族関係が重要な事情として考慮されることがあります。
例えば次のような事情です。

  • 日本人や特別永住者との家族関係がある
  • 日本で生活する未成年の子どもを扶養している
  • 夫婦としての共同生活の実態
  • 子どもの監護や養育の状況

特に、子どもが日本で生活している場合には、子どもの利益の観点も考慮されることがあります。

 

ただし、家族関係があることだけで在留特別許可が認められるわけではなく、婚姻の実態や生活状況などを含めて総合的に判断されます。

不利に評価される可能性がある事情

在留特別許可の判断では、法令を守り、社会のルールに沿って生活していることは当然の前提とされています。
そのため、単に日常生活を普通に送っているというだけでは、特に有利な事情として評価されるわけではありません。

 

一方で、これまでの在留状況や生活状況の中で、法令違反や社会的な問題行為がある場合には、その内容や程度に応じて不利に評価されることがあります。
例えば、次のような事情は消極的に考慮される可能性があります。

  • 過去に退去強制手続や出国命令手続を受けたことがある
  • 刑罰法令に違反したことがある
  • 仮放免中または監理措置中に逃亡したり、条件に違反したことがある
  • 就労していたにもかかわらず、納税義務を適切に果たしていない
  • 地域のルールを守らない、迷惑行為を繰り返すなど、地域社会との関係に問題がある

また、特に重く見られやすい事情として、次のようなものが挙げられます。

  • 集団密航への関与や、他の外国人の不法入国を助ける行為
  • 他の外国人の不法就労や在留資格の偽装に関わる行為
  • 在留カードなどの公的書類の偽造・変造、不正な受領、偽造書類の使用や所持
  • 売春に関する行為や、人権侵害・社会秩序を著しく乱す行為
  • 反社会的勢力との関係があること

このように、在留特別許可の判断では、家族関係や生活事情だけでなく、これまでの在留状況や法令遵守の状況も重要な判断要素になります。

退去強制手続と関連する制度

在留特別許可は、退去強制手続の中で検討される制度です。

 

入管法違反などにより退去強制事由に該当すると判断された場合、退去強制手続が進められることになります。その中で、個々の事情を踏まえ、日本での在留を認めるべき特別な事情があるかどうかが検討されることがあります。
この制度と関係する主な制度には次のようなものがあります。

これらの制度はそれぞれ手続の目的や位置づけが異なるため、現在どの制度の段階にあるのかを理解することが重要になります。

提出書類

在留特別許可を求める場合には、次の申請書と資料を提出します。
ただし、提出すべき資料は個々の事情によって異なるため、すべての人に同じ書類が必要になるわけではありません。

申請書

在留特別許可申請書 1部(1人につき1部)

資料(該当する場合)

次の事情がある場合には、それぞれの状況を確認するための資料を提出します。

  1. 永住許可を受けている場合
    在留カードの写し
  2. かつて日本国民として日本に本籍を有していた場合
    除籍謄本、除籍証明書、または除籍電子証明書
  3. 人身取引などにより、他人の支配下で日本に在留している場合
    陳述書(様式は任意)
  4. 難民認定または補完的保護対象者の認定を受けている場合
    難民認定書または補完的保護対象者認定証明書の写し
  5. その他、特別に在留を認める事情がある場合
    その事情を説明する資料

在留特別許可は、個々の事情を総合的に考慮して判断される制度です。
そのため、上記の書類に加えて、家族関係、生活状況、日本での在留状況などを説明する資料が提出されることもあります。

相談前に整理しておきたい事情

在留特別許可が関係する可能性がある場合には、これまでの在留経過や生活状況を整理しておくことが重要になります。
例えば次のような事情です。

  • これまでの在留資格と在留経過
  • 入管法違反が問題となった経緯
  • 家族構成や同居状況
  • 子どもの生活状況
  • 就労状況
  • 納税状況
  • 地域社会との関係

これらの事情は、在留特別許可の判断において考慮される事情と関係する場合があります。

よくある質問

在留特別許可は、退去強制手続の中で個々の事情を踏まえて判断される制度であり、状況によって判断の考え方が大きく異なることがあります。
ここでは、在留特別許可について相談を受ける際によくある質問をまとめています。

 

在留特別許可とはどのような制度ですか

在留特別許可は、退去強制の対象となる外国人について、特別な事情がある場合に日本での在留を認めることができる制度です。家族関係、生活状況、素行、入国の経緯などさまざまな事情を総合的に考慮して判断されます。

 

在留特別許可は誰が判断するのですか

在留特別許可を認めるかどうかは最終的に法務大臣の判断とされています。個々の事案についてさまざまな事情を総合的に考慮して判断される制度とされています。

 

家族が日本にいれば在留特別許可は認められますか

家族が日本にいる事情は判断の中で考慮されることがあります。ただし、それだけで直ちに在留特別許可が認められるわけではありません。婚姻の実態や生活状況などを含めて総合的に判断されます。

 

在留特別許可は申請すれば必ず認められますか

在留特別許可は、本来であれば日本から退去しなければならない外国人に対して、例外的に日本での在留を認める措置です。一定の条件を満たせば必ず許可される制度ではありません。個々の事情を踏まえて総合的に判断されます。

 

どのような事情が判断の対象になりますか

在留特別許可の判断では、日本での在留を希望する理由、家族関係、素行、日本に入国した経緯、日本での在留期間、退去強制の理由となった事情、人道上の配慮の必要性などさまざまな事情が考慮されます。

 

在留特別許可はどの手続の中で検討されますか

在留特別許可は、退去強制手続の中で検討される制度です。通常の在留資格変更や更新の手続とは制度の位置づけが異なります。

 

相談の前にどのようなことを整理しておくとよいですか

これまでの在留資格や在留経過、家族構成、生活状況、就労状況、納税状況などを整理しておくと、現在の状況を説明しやすくなります。

 

在留特別許可は、退去強制手続の中で個々の事情を踏まえて判断される制度です。
家族関係や生活状況などさまざまな事情が考慮されるため、現在の手続の状況やこれまでの在留経過を整理することが重要になります。

 

制度の位置づけや現在の状況を確認したい場合は、状況を整理したうえで専門家に相談することも一つの方法です。

 

何から始めればよいか分からない場合や、

申請できるか迷っている場合でもご相談いただけます。



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