出国命令とは

日本から去っていく女性のイメージ画像

出国命令制度とは、入管法に違反した不法残留中の人に対して、自分で日本から出国する意思をもって出入国在留管理官署に出頭したことなどを条件にして、施設に収容されずに簡単な手続きによって自分で出国できるようにする制度です。入管法では第24条の3と第55条の2から第55条の6までで規定されています。
この制度を活用すると、出国するまで施設に収容されないことと合わせて、出国後に日本への再入国が禁止される期間(上陸拒否期間)が5年から1年に短縮される恩恵を受けることができます。
もちろんオーバーステイなどの不法滞在状態にならないことが大切なのですが、様々な事情によってそのような状況に陥ってしまうこともあります。ここでは注意喚起の意味も含めて出国命令の制度を詳しく解説いたします。

 


出国命令の対象となる人

この出国命令の対象となるのは「不法残留の状態」になっている人で、そして下記の事項に全て該当する人です。

  • 自分で日本から出国する意思があり、自分で出入国在留管理官署に出頭したこと
  • 不法残留以外の退去強制の事由に該当しないこと
  • 窃盗罪等の一定の罪によって懲役又は禁錮の刑罰を受けたことがないこと
  • 過去に日本から退去強制されたこと、または過去に出国命令で日本から出国したことがないこと
  • 速やかに日本から自分で出国することが確実だと思われること

なお出国命令の対象となる「不法残留の状態」とは、以下のどれかに当てはまる人です。

1(入管法第24条第2号の4)

日本人の配偶者等の在留資格(日本人の特別養子と日本人の子を除く)と永住者の配偶者等の在留資格(永住者等の子を除く)で、配偶者の身分を有する者としての活動を継続して6ヶ月以上行わないで在留資格が取り消しとなり、指定された期間内に出国していない場合
これは上記の理由で在留資格が取り消されると「最長30日の出国のための期間」が設定されるのですが、その期間を過ぎて日本に滞在し不法残留となってしまった人のことです。

2(入管法第24条第4号ロ)

在留期間の更新または変更をしないで、在留期間を経過しても日本に残留している場合です。
これがいわゆる「オーバーステイ」と言われる典型的な状態です。許可された在留資格の有効期間を過ぎて日本に滞在しているような人があてはまります。
なお在留期間の更新許可申請または在留資格の変更許可申請を行った場合に、その申請への決定(処分)が在留期間の満了の日までに行われていないときは、
・その決定(処分)がされる時
・または在留期間の満了の日から2ヶ月が経過する日が終了する時
のどちらかの早い方までは引き続きその前の在留資格で日本にいることができます。しかしこの期間も過ぎてしまっている場合には、同様にオーバーステイの不法残留状態となります。

3(入管法第24条第6号)

寄港地上陸の許可、船舶観光上陸の許可、通過上陸の許可、乗員上陸の許可、緊急上陸の許可、遭難による上陸の許可又は一時庇ひ護のための上陸の許可を受けた者で、旅券又は当該許可書に記載された期間を経過して日本に残留する場合

(入管法第24条第6号2)

船舶観光上陸の許可を受けた者で、当該許可に係る指定旅客船が寄港する日本の出入国港において下船した後当該出入国港から当該指定旅客船が出港するまでの間に帰船することなく逃亡した場合

(入管法第24条第6号3)

船舶観光上陸の許可が取り消され出国するために必要な期間を指定を受けた者で、当該期間内に出国しない場合

(入管法第24条第6号4)

 
乗員上陸の許可が取り消され帰船又は出国するために必要な期間を指定を受けた者で、当該期間内に帰船し又は出国しないもの

4(入管法第24条7)

在留許可取消期間(60日)を経過して日本に残留している場合です。
在留許可取消期間とは、「日本国籍ではなくなった人」「日本で生まれた外国人の子供」などがその原因の発生の日(生まれた日など)から60日間は在留資格を持たずに日本に在留することができる制度です。
この60日の期間を超えて残留している場合には不法残留となってしまいます。
なおこの期間(60日)を超えて日本に在留しようとする場合は、原因の発生日(生まれた日など)から30日以内に在留資格の取得申請を行います。

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出向命令の手続き

出国命令に関する手続きを「出入国在留管理官署への出頭」から「出国するまで」の流れで説明します。出国命令は外国人個人による「速やかな出国」を促す制度であるため、各手続きも「速やかに」行われることに特徴があります。

1 出入国在留管理官署に不法残留者が自分で出頭し、出国命令を希望することを表明します。

出国命令制度の大前提は「不法残留の状態になっている人が自分の意思で出頭すること」です。
もしも出頭する前に不法残留で摘発されるようなことがあれば、この制度を活用することはできなくなります。出頭するときには、パスポートと在留カード、現在の住所がわかる資料などを持ってゆく必要があります。また「速やかに自分で出国する意思」があることを証明するために、帰国する航空券を購入できる資金をもっていることも必要です。
なお出頭する出入国在留管理官署とは、地域を管轄する地方出入国在留管理局のことです。

2 「入国審査官の違反審査」が行われます。

出頭後に入国警備官から出国命令の対象者に該当するとされた場合は、施設に収容されることなく入国審査官の違反審査を受けることになります。

3 「出国命令書」が交付されます。

違反審査で入国審査官から出国命令の対象者に該当すると認定された場合は、15日以内の範囲で出国する期限が定められた「出国命令書」が交付されます。出国命令書には出国期限の他に、住居や行動範囲の制限、その他必要とされる条件が付くことがあります。

4 指定された期限以内に出国します。

出国命令書で定められた出国期限が到来するまでに、日本から出国することになります。
この場合の出国の際には「出国命令書」もパスポートと同時に確認されるため、空港に出国命令書も必ず持って行きます。

 

出入国在留管理局に出頭してから出国するまでおおよそ2~3週間とされています。この期間は審査にかかる時間や出国命令で指定される出国までの期間によって異なります。

もしも出国命令に違反したら

もしも交付された出国命令に違反したり、期日までに出国しなかった場合にはどのようになるかも最後にお伝えします。

1 出国命令の期限までに出国しなかった場合

出国命令の対象者から退去強制の該当者に立場が代わり、送還される日まで基本的に施設に収容されることになります。また刑事罰の対象にもなります。

2 出国命令の条件に違反した場合

出国命令には出国期限の他に条件(住居の指定など)が付きます。例えば就労禁止の条件に違反して就労した場合には、出国命令が取り消される可能性があります。もし取り消されると退去強制の対象者になり、送還される日まで基本的に施設に収容されることになります。また刑事罰の対象にもなります。

 

出国命令制度を活用して出国する場合は、「速やかに」手続きが進行するようになっていますので出頭する前に日本での生活についてある程度整理しておく必要があります。個人の事情によってその準備は異なりますので、もしも分からないことや不安なことがあればお気軽にご相談ください。

 

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