特定活動46号ビザは、日本国内の大学や短大、高等専門学校(いわゆる高専です)、そして一定の専門学校を卒業した人やこれから卒業する予定の人が対象者で、小売業、宿泊業、サービス業や製造業などの「現場作業が必要になる業種」で総合職として働くことができる在留資格です。
特定活動46号ビザの在留期間は、5年、3年、1年、6か月、3か月のいずれかです。
なお「留学」の在留資格からの変更許可をした時(つまり学校卒業1年目の間)、または初回の在留期間更新許可の時の在留期間は1年になります。
このページでは「特定活動46号ビザ」について、下記の点を中心に詳しくわかりやすくお伝えしています。
特定活動46号の申請や手続きでお困りのこと、ご相談などがあればお気軽に当事務所へご連絡ください。
特定活動46号ビザの概要 | |
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英語名 | Designated Activities 46 |
対象の仕事 | 日本語を用いた円滑な意思疎通を要する業務を含む幅広い業務に従事すること |
仕事の特徴 | 現場作業も行いながら、企画や営業なども行なう総合職など |
対象者 | 日本の大学などを卒業し(卒業予定も含む)、一定の日本語検定に合格している人など |
在留期間 | 5年、3年、1年、6か月、3か月のいずれか |
特定活動46号ビザの特徴は、総合職(サラリーマン)として「デスクワークも現場作業も両方とも行うことができる」ということです。
「総合職(サラリーマン)」として働く他の種類のビザでは「技術・人文知識・国際業務ビザ」が最も取得人口が多いのですが、しかしこの技術・人文知識・国際業務ビザではデスクワークに仕事内容が限定されていて、厨房や製造ラインといった「現場での作業」は出来ないことになっています。反対に「現場作業」で働けるビザでは、その現場作業以外の働き方ができません。
このようななかで特定活動46号ビザが許可された人は小売業やサービス業といった「デスクワークも現場作業も両方とも担当する総合職」が求められる業種で活躍できるようになります。
特定活動46号ビザでは、製造業や小売業、介護の現場やタクシードライバーとしても働くことができます。そのような業種の例と働き方をご紹介します。
飲食業・外食業
レストランなどの店舗で、外国人のお客への通訳を兼ねた接客業務が行えます。
ただし働き方が単なるキッチンスタッフや皿洗いなどの単純作業にならないことに注意してください。
製造業
日本人従業員からの作業の指示を、他の外国人従業員へ外国語で伝えたり、仕事を教えながら自分でも製造ラインで作業を行えます。
ただし、指示された作業を黙々とこなしているだけのような働き方は対象外です。
宿泊業
外国語への翻訳業務をしながら、働くホテルや旅館などのホームページの作成・運営を担当したり、外国人客への通訳・案内や、他の外国人従業員への指導をしながら、自分もベルスタッフやドアマンとして働くことができます。
ただし客室清掃だけ担当するような働き方は対象外です。
小売業
仕入れや商品企画などの店舗運営に携わりながら、通訳も兼ねた外国人客の接客などの販売業務をすることができます。
ただしレジ打ちや商品陳列だけを担当するような働き方は対象外です。
タクシー会社
観光客を集客するための企画を考えたり、自分で通訳を兼ねた観光案内を行うタクシードライバーとして乗務できます。もちろん通常のタクシードライバーとして乗務することも可能です。
ただし車両整備や清掃業務だけ行うような働き方は対象外です。
介護事業
外国人従業員や技能実習生へ指導を行いながら、自分でも日本語を使って介護の仕事を行えます。
ただし洗濯や清掃だけのような働き方は対象外です。
食品製造
他の従業員と日本語でコミュニケーションを取りながら、新商品の企画や開発を行い、自分自身も商品を製造するラインに立って作業を行えます。
ただし製造ラインで指示された作業だけをする働き方は対象外です。
特定活動46号ビザは様々な業種でデスクワークと現場作業を兼ねる仕事に就くことができます。これらの仕事に共通するキーポイントは以下の2つになります。
上記の業種以外にもこの2つのキーポイントがあれば、特定活動46号ビザを取得できる可能性があります。
特定活動46号ビザを申請する場合に必要な条件を解説します。このビザの条件は下記のように大きく5つの項目があり、またその中には他のビザの種類にはない独特な条件も設定されています。
下の両方の条件にあてはまる人が、特定活動46号ビザを申請できます。。
※短大卒業の場合は、独立行政法人大学改革支援・学位授与機構が行う審査に合格して「学士」の学位を持っていることが必要です。
※高等専門学校(5年間の本科を修了して卒業した場合)も、独立行政法人大学改革支援・学位授与機構が行う審査に合格して「学士」の学位を持っていることが必要です。
※1:海外の大学、短期大学、専門学校などの卒業生は対象外で、日本の大学などを卒業する必要があります。
※2:大学などで日本語を専攻した人、または海外の大学で日本語を専攻し日本の大学を卒業した人は日本語試験について免除されます。
「一定の専門学校」とは、下記の2つの要件を満たしている学校です。
・高度専門士の称号を得られる専門学校(4年制の専門学校)
・(専修学校の専門課程における)外国人留学生キャリア形成促進プログラムの認定を受けた専修学校専門課程の学科であること
担当する業務が「外国語と日本語の翻訳的な要素や日本語によるコミュニケーションが求められる仕事」であることが条件のひとつになります。
担当する業務は、指示されたことだけ行う「単純作業」をするのではなく、自ら考え行動する働き方が求められます。また担当する業務と大学などで専攻した分野がある程度関連していることも求められます。
「常勤の職員として雇用され、その会社で勤務すること」が条件です。常勤職員ですのでパート・アルバイトではなく、正社員・契約社員として社会保険などに加入することが必要です。そして派遣社員として別の会社で働くことはできません。
日本人の社員と同じ待遇(給料や労働時間など)で働くことが求められます。これは外国人という理由で日本人より低い待遇にしてはいけない、という意味があります。
また報酬額は、働く地域や個々の企業の賃金体系さらには他の企業の同種の業務に従事する人の賃金を参考にして日本人と同等額以上であるという観点も求められます。
留学生から特定活動46号ビザに在留資格の変更を申請する場合を例に、ビザ申請の各手続きのながれをご案内いたします。
ビザを申請する人に関すること
学歴やおおよその希望スケジュール ・日本に住んでいる親族(親や兄弟や親戚)の有無 ・同伴する予定の家族(配偶者と子供)の有無などを中心に確認します。
就業内容に関すること
担当する職種の業務内容 ・雇用形態 ・給与や報酬などを中心に確認します。
会社などに関すること
会社の概要を確認させていただきます。勤務予定の事業所の名称、住所、電話番号や、外国人従業員数などを中心に確認します。
当事務所でお打合せの内容に基づいた申請書類を速やかに作成いたします。作成後に内容をご確認いただき、必要な個所へご署名を頂戴いたします。
当事務所で管轄の入管での申請手続きを代行します。
まれに審査期間中に追加の書類提出を求められることもありますが、そちらについても当事務所で対応いたします。(追加資料のご協力をお願い致します。)
申請に許可が出ると、特定活動46号ビザへの変更作業を行います。具体的には在留カードを書き換える作業です。この作業が終了して、ビザ変更の手続きが完了になります。
当事務所では申請許可の可能性、状況に合わせ別途用意すべき資料、手続きの時間の見込みなど、許可が下りるまで都度アドバイスをさせていただきます。
特定活動46号ビザの申請に必要になる書類についてご案内いたします。基本的には必要最小限のもののご紹介ですので、この他にもビザ申請者の状況に合わせ追加提出する書類が必要となる場合もあります。
1 在留資格認定証明書交付申請書 1通 ※留学ビザなどからの変更手続きの場合は「在留資格変更許可申請書」を提出します。
2 写真(たて4cmよこ3cm) 1枚
3 返信用封筒 1通
4 パスポート及び在留カード (窓口で提示します)
5 申請人の活動の内容等を明らかにする資料
労働基準法第15条第1項及び同法施行規則第5条に基づき,労働者に交付される労働条件を明示する文書 (雇用契約書など)1通
6 雇用理由書
雇用契約書の業務内容から、日本語を用いた業務などといったこのビザの条件該当する業務に従事することが明らかな場合はは提出は不要です。提出する場合は企業が作成した書類が必要です。様式は自由ですが、企業の名称及び代表者名の記名押印が必要です。
7 学歴を証明する文書 卒業証明書や卒業見込証明書など 1通
8 日本語能力を証明する文書(下記のどちらか)
・ 日本語能力試験N1合格の証明書(写し)
・ BJTビジネス日本語能力テスト480点以上の成績証明書(写し)
外国の大学で日本語を専攻した人で、さらに日本の大学を卒業した人は、外国大学の卒業証書(写し)と日本の大学の卒業証明書(学部・学科、研究科等が記載されたものに限ります。)を提出します。
9 事業内容を明らかにする次のいずれかの資料
・ 勤務先等の沿革、役員、組織、事業内容(主要取引先と取引実績を含む)等が記載された案内書
・ その他の勤務先等の作成した上記に準ずる文書
・ 勤務先のホームページの写し(事業概要が確認できるトップページ等のみで可)
・ 登記事項証明書
特定活動46号ビザについて、あらかじめ注意しておくポイントをお伝えします。
特定活動46号ビザは、ビザが許可される時に働く会社が指定されます。そのためもしも転職で会社が変わるときには、
・新しく転職先の会社で特定活動46号ビザを取り直す
・他のビザへの変更する
このどちらかの手続きを転職後の働き方に応じて行なうことになります。
常勤の職員として働くことが特定活動46号ビザの条件の一つです。常勤の職員とは、他社などに派遣されずに、採用された会社のなかで働く社員のことです。
特定活動46号ビザで働く人が日本へ家族を呼び寄せ一緒に暮らす場合は、「特定活動47号」という専用のビザを申請します。その内容は家族滞在ビザと同様のものです。
ただし人事異動や配置転換によって、担当する業務内容を特定活動46号ビザで許可されないような単純作業にすることはできません。
特定活動46号ビザでコンビニエンスストアの社員として勤務できるかどうかは、「担当する業務の内容」によって審査されます。
例えば複数の店舗を統括するエリアマネージャーような立場で、外国人を含むスタッフの管理や、商品仕入れ、経理業務、店舗設備の管理業務などを行いながら現場作業にも関わるような働き方であればビザ審査が許可される可能性はあります。
一般の外国人アルバイトの内容とは明確に異なること、特定活動46号ビザのキーポイントを押さえた業務内容であることなどの説明資料も必要になります。
特定活動46号は比較的新しい種類のビザです。運用の実績次第では今後の取り扱いについて修正や変更が加えられてゆく可能性も考えられます。行政書士事務所浜岡事務所では常に最新情報をキャッチアップし、ご事情に沿ったアドバイスを行っております。ぜひお気軽にご相談ください。
特定活動46号ビザに関するお問い合わせは、お電話、メールでお気軽にご連絡ください。
初回のご相談は無料です。