特定技能ビザ (Specified Skilled Worker) とは

工場で働く特定活動ビザの人のイメージ画像

特定技能ビザとは慢性的な人手不足と認定された業種で、即戦力として就業する在留資格です。特定技能ビザで活躍される例は、下記のような現場での業務が中心になります。

  • 外食産業:調理・接客・店舗管理など
  • 宿泊施設:フロント業務、広報、企画、接客業務など
  • 介護施設:介護職員など

上記以外にも合計14の業種で即戦力として就労されることが期待されています。

 

在留期間は、特定技能1号では、1年、6ヶ月、4ヶ月で、更新を行うことで最大5年間の在留期間となります。特定技能2号では、3年、1年、6ヶ月で年数の上限なく更新し続けることが可能です。
即戦力外国人の雇用をご検討される企業様にも、日本に住んでいる方を特定技能で雇用するメリットを解説しておりますのでご参考頂けますと幸いです。

 


対象の業種

2020年現在、特定技能1号の対象となっている業種は下記の14種類です。しかし現在の日本では人手不足は下記の業種以外でも慢性的な問題となっているため、今後他の業種も追加される可能性がります。(コンビニを追加する検討が2020年に行われましたが、いったん見送りとなっています。)

特定技能1号の対象業種
介護 ビルクリーニング 素形材産業(金属プレス加工など) 産業機械製造業(機械検査など) 電気・電子情報関連産業(電子機器組立など) 建設 造船・船用工業 自動車整備 航空 宿泊 農業 漁業 飲食料製造 外食業

 

特定技能2号は、特定技能1号として働いた後に特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人として所定の試験に合格した方が対象です。

(2020年現在)特定技能2号の対象職種
建設 造船・船用工業

特定技能1号の対象になる人

特定技能1号は、原則としてすべての国・地域の方が対象です。学歴や経歴などの要件は必要ありません。

  • 18歳以上で健康な方が対象です。
  • 日本語と業種の試験に合格する必要があります。

業種の試験は、漁業分野を除いて、すべての試験を日本国内で受験することができます。試験はすべての在留資格の種類の人が受験することができます。家族滞在ビザ留学ビザ、特定活動ビザでも当然受験することができ、短期滞在ビザ(旅行ビザ)でも受験することができます。

たとえば家族滞在ビザの人が、介護の特定技能として働いて、その期間中に介護の資格を取って介護ビザに変更することも可能です。もちろん元の家族滞在ビザに戻ることもできます。日本語学校を卒業する方が、特定技能で働いて専門学校や大学の学費を貯めてから、大学生や専門学校生として留学ビザに戻ることも可能です。

 

試験について

1 日本語の試験
日本国内で試験を受ける場合は、日本語能力試験N4が該当します。

国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)も受験可能です。試験会場は日本国外のみです。
「介護」の分野のみ上記の試験に加えて、介護日本語評価試験の受験も必要です。

2 業種ごとの試験
対象となる業種ごとに試験が設定されています。漁業以外の分野では、日本国内での受験が可能になりました。

技能実習2号を良好に修了された方は、試験が免除されます。
技能実習2号を良好に修了(技能検定3級に合格など)された方で、実習と同じ分野の特定技能として就職する場合には、日本語・技能試験の両方ともが免除されます。なお技能検定以外にも、実習先から実習中の出勤状況や技能等の修得状況や生活態度等を記載した評価に関する書面で、技能実習2号を良好に修了したと認められる場合も含みます。

試験に合格したら

日本語試験と技能試験に合格したら、合格した分野で特定技能で求人を行っている会社をハローワークなどで探して、希望する条件と会社の条件が合っていたら雇用契約を行います。そして在留資格を特定技能に変更する申請を行ってから働き始めます。

 

母国が定めた手続きを大使館などでしなければならない場合があります。例としてミャンマー国籍の方は、就職先を決めた(雇用契約をした後)ら、ビザの変更前にミャンマー大使館でパスポートの更新手続きが必要です。その他各国の手続きについては母国の大使館にご確認ください。

留学ビザは、卒業のタイミングまで在留資格の変更を待ちましょう。

留学ビザは勉強をすることが優先されるビザなので、試験に合格して就職先が決まっていても、学校を卒業せずに(退学などで)特定技能に変更して働き始めるのは歓迎できないと入管は考えているようです。留学ビザの場合は、卒業するタイミングに合わせて特定技能に変更するようにしましょう。

日本国内で特定技能を求人するメリット

特定技能制度は2019年の開始当時、海外で試験に合格し新たに日本へ入国する外国人を主な対象として運用が開始されました。しかし現在では、漁業を除く、13の業種すべてで日本国内の試験を実施しています。国内での受験が可能になったことで日本国内在住の留学生や家族滞在ビザなどの方が特定技能ビザへ移行しやすくなり、人材候補の幅が広がりました。

 

採用コストを軽減できる

海外の採用活動に比べて国内での求人は、特定のエージェントや送出し機関を経由する必要はなく、ハローワークの利用や直接求人など通常の採用活動とほぼ同じ内容になります。
海外での採用の場合、航空券などの渡航費用も発生しますが国内採用の場合は当然不要です。

支援業務を省力化できる

特定技能で外国人を雇用するときには、約10種類の支援業務を行う必要があります。
しかしその多くは初めて来日する外国人を対象としています。すでに日本に住んでいる場合は支援内容を採用候補者と確認したうえで、不必要な支援業務を削減することができます。

人件費以外のランニングコストを削減でき

支援業務の全部を登録支援機関に委託する場合、登録支援機関への委託費用が一人あたり月額2~3万円ほど発生します。特定技能では待遇が日本人と同額以上の規定があるため、給与額によっては年間10%程度人件費が高騰するのと同じことになってしまいます。必要な支援業務を自社で行える場合は、この費用負担もなくなります。また部分的に委託する場合でも月額の委託費用を交渉で減額できる可能性もあります。

 

特定技能の外国人材を日本国内で採用するメリットは、即戦力の人材を特別な採用費をかけずに求人できることです。日本での滞在が長く日本語が話せるうえ、日本の文化や生活慣習にも馴染んでいることから、海外から採用する場合と比べて工程とコストを大きく削減できます。

 

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登録支援機関を経ないで特定技能制度を利用するには

会社が登録支援期間を経由せずに特定技能制度を活用するには、会社の事業が認定された14業種に分類されるほかに下記の要件に該当することが必要です。ここではそれら要件の詳細についてお伝えいたします。

 

1:業種ごとの「協議会」に加入すること

業種を所管する省庁が協議会を設置しています。建設業を除き、過入金や年会費などは無料です。

2:雇用契約の締結

雇用する企業は特定技能ビザの外国人材との間で雇用契約(特定技能雇用契約)を取り交わす必要があります。特定技能雇用契約で必要な内容は大きく2種類になります。

  1. 外国人本人が行う活動の内容と報酬、その他の雇用関係に関すること
  2. 期間満了後の出国を確保するための対応とその他外国人の適正な在留

この2週類の内容に含まれるべき事項は具体的には下記のとおりです。

  • 労働基準法その他の労働関係法令に適合していること
  • 所定労働時間が同社の他の労働者の所定労働時間と同等であること
  • 報酬額が日本人が従事する場合の額と同等以上であること
  • 外国籍を理由にして、報酬の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について差別的な取り扱いをしないこと
  • 一時帰国を希望した場合、休暇を取得させること
  • 派遣等の対象とする場合、派遣先と期間が定められていること
  • 本人が帰国旅費を払えないときは、雇用企業が負担し、契約終了後の出国が円滑になされるよう必要な対策を講じること
  • 本人の健康の状況その他の生活の状況を把握するために必要な対応を講じること
  • 分野ごとの特有の基準に適合すること

通常の雇用契約と大きく異なる点は「差別的な待遇の禁止」、「帰国困難時の支援」、「生活状況の把握」の3点だけです。
一時帰国時の休暇とは通常では有給休暇の扱いです。分野ごとの基準とは、企業側は14業種に該当すること、外国人側は試験などに合格していることです。

3:雇用契約の適切な履行

雇用契約に関しては、企業側に下記の要件が備わっていることも必要となります。

  1. 労働・社会保険と租税に関する法令を遵守していること
  2. 配置予定の業務に従事していた労働者を、過去1年以内に非自発的に離職させていないこと
  3. 過去1年以内に企業の責任が問われる形で行方不明者を発生させていないこと
  4. 欠格事由(過去5年以内の出入国・労働法令違反など)に該当しないこと
  5. 特定技能外国人の活動内容に係る文書を作成し、雇用契約終了日から1年以上備えおくこと
  6. 外国人が保証金の徴収等をされていることを企業が知っていながら、雇用契約を結んでいないこと
  7. 企業が違約金を定める契約等を結んでいないこと
  8. 支援に関する費用を直接・間接的に外国人に負担させないこと
  9. 労働者派遣の場合は、派遣元が14分野の業務を行っている者などで、適当と認められる者。かつ派遣先が1~4の基準に該当すること
  10. 労災保険関係の成立の届出等をおこなっていること
  11. 雇用契約を継続して履行する体制が適切に整備されていること
  12. 報酬を銀行口座などへ振込によって支払うこと
  13. 分野に特有の基準の適合すること

一般企業なら問題となるような項目はほぼありません。
特殊な要件としては、6の「保証金を外国人が取られいるのを知っていながら雇用してはいけません」ということですが、海外の悪質なエージェントを排除するための項目なので、国内採用ではほぼ問題になりません。

「支援に関する費用」について

外国人材の日本での生活をサポートするために、1人1人に対して生活面での支援計画を策定することが必要です。支援計画の内容はおもに10項目ですが、国内採用の場合には不要となる項目が多数含まれています。

  1. 日本入国前に日本で注意すべきことなどのオリエンテーションをおこなう
  2. 出入国する空港への送迎
  3. アパートなど賃貸契約時に保証人となるなどの住居確保の支援、銀行口座の開設や携帯電話の契約など生活に必要な契約ごとへの支援
  4. 日本入国後に日本での生活一般に関するオリエンテーションの実施
  5. 外国人が必要な届出等の手続きに同行などの支援
  6. 生活に必要な日本語学習の機会を提供
  7. 相談・苦情対応、助言、指導等の支援を行う
  8. 外国人と日本人との交流の促進についての支援
  9. 外国人の責任のない理由で解雇する場合は、新しい就職先を斡旋するなどの支援
  10. 支援責任者または支援担当者が、外国人本人と監督する立場にある人の両方に定期的に面談して、もし労基法などの違反を見つけた場合は、関係行政機関に通報すること

国内採用の場合は1~4の支援はほぼ不要になります。また5~7は何年か日本で生活している人が対象者であれば省略できる可能性があります。ただし要・不要には明示された基準があるわけではなく、採用候補者と実際に打ち合わせをして不要な支援を削除する必要があります。そのうえで入管と事前確認しておくことをお勧めいたします。

4:支援計画の適切な実施

支援計画を自社で行える企業は、下記のいずれかに該当する必要があります。もしどれにも該当しない場合は、登録支援機関に支援業務を委託することによって代替とすることができます。

  1. 過去2年間に中長期在留者(就労資格のみ)の受け入れまたは管理を適正に行った実績があり、かつ、役職員の中から、支援責任者および支援担当者(事業所ごとに1名以上)を選任していること
  2. 役職員の中で過去2年間に中長期在留者の生活相談等に従事した経験を有する者の中から、支援担当者と支援担当者を選任していること
  3. 上記1、2と同程度に支援業務を適正に実施することができる者で、役職員の中から、支援責任者と支援担当者を選任していること

1の中長期在留者(就労資格のみ)とは、技術・人文知識・国際業務や技能、技能実習などの働くことができるビザをもつ人のことを意味しています。
2で規定する”従事した経験”とは、会社の業務として行ったことを意味し、ボランティア活動などは対象となりません。また人材紹介会社で求人情報を紹介しただけの経験も対象外です。

支援責任者と支援担当者は、同一人物が兼任することが可能です。社員でも役員でも構いません。ただし特定技能外国人に業務指示を与えるライン上の上長にあたる方や事業の責任者である社長などは好ましくないとされています。

外国人社員を採用したことのない企業では

外国人社員を雇用したことがなくても、支援業務を適正に実施することができて、これまで日本人労働者等を適正かつ適切に雇用してきた実績のある会社であれば、上記3の会社であると判定される可能性があります。
外国人を正社員として雇用した実績のない会社でも、これまで問題なく外国人をアルバイトなどで雇用してきた会社などは、雇用実績に関する書類を用意して、入管に事前相談されることをお勧めします。

なお上記の1から3に該当する企業は、加えて下記の要件が必要です。

  • 外国人が十分理解できる言語で、支援を実施することができる体制があること
  • 支援に関する文書を作成し、雇用契約終了の日から1年以上、備え置くこと
  • 支援責任者と支援担当者が、支援計画の中立的な実施を行うことができ、両者が欠格事由に該当しないこと
  • 5年以内に支援計画に基づく支援を怠ったことがないこと
  • 支援責任者と支援担当者が、外国人と監督する立場にある人の両者と定期的な面談を実施する体制があること
  • 業種分野の特有の基準に適合すること
5:出入国在留管理庁への届出

企業が行う届出には、ルーティンな届出と、規定されたことが発生した時だけおこなう届出の2種類があります。

ルーティンな届出

タイミング:四半期ごとに、初日から14日以内
届出ること:

  • 雇用している特定技能外国人の氏名・その就労状況およびその他
  • 支援計画の実施状況(登録支援機関に委託した時は除外)
  • 特定技能外国人への報酬の支払い状況。(報酬を決定する際に比較対象とした他の従業員への報酬の支払い状況も含む)
  • 全従業員数、特定技能外国人と同一の業務に従事する人の新規雇用者数と離職者数、行方不明者数など
  • 健康保険、厚生年金保険および雇用保険に関する適用の状況
  • 特定技能外国人の受入れ(雇用)に使った費用の額と内訳

発生ごとに行う届出

タイミング:発生してから14日以内
届出ること:

  • 特定技能雇用計画の変更・終了・新たな締結
  • 支援計画の変更
  • 登録支援機関への委託契約の締結・変更
  • 特定技能外国人の雇用が困難になった場合
  • 出入国・労働法令違反があった場合

以上、企業側の基準について詳しくご紹介してまいりました。
ほとんどが普通の企業なら問題のない要件と言えます。キーポイントは、外国人に対する支援計画を実施できる会社に該当するかどうかです。該当しない場合は登録支援機関の利用という手段がありますが、コスト面ではあまり歓迎できない企業が多いと思います。まずは、自社が支援計画の実施会社に該当するかどうか、入管への事前相談も含めて、検討することから始めてみてはいかがでしょうか。

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