外国人の方が日本で生活・就労・学業を行うためには「在留資格(ビザ)」が必要です。
目的に合った在留資格を取得していなければ、日本に滞在することはできません。
在留資格は就労・留学・家族滞在など、一人ひとりの状況に合わせて発行される重要な資格です。
2025年3月現在、日本には29種類の在留資格(ビザ)が設けられています。これらは「出入国管理及び難民認定法(入管法)」によって分類されています。
在留資格は大きく3つのタイプに分かれます。
例:永住者、日本人の配偶者等
例:技術・人文知識・国際業務、技能
例:留学、研修
このように在留資格には種類ごとに特徴がありますが、実際に申請する際には「自分の目的に合った在留資格はどれか」を正しく理解することが大切です。
次の章では、それぞれの在留資格について具体的に解説していきます。
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まずは、身分や地位に基づく在留資格から説明します。これは、日本人と結婚した方や永住者など、特別な事情を持つ人に与えられる在留資格(ビザ)のことです。
国際結婚や永住などの理由で日本での生活が許可されるため、「働く」「留学する」といった目的別のビザとは異なり、日本での活動に制限がないことが大きな特徴です。
※この表は横にスライドできます。
このように、身分や地位に基づく在留資格は、日本での活動に制限がなく、特別な事情を持つ方にとって重要な在留資格といえます。
続いて、就労を目的とした在留資格について詳しく見ていきましょう。
日本で働くための在留資格(就労ビザ)は、2024年現在で19種類に分けられています。
仕事の内容や雇用形態によって取得できる在留資格が異なるため、自分の状況に合った種類を正しく選ぶことが大切です。
※この表は横にスライドできます
活動内容が根拠となる在留資格のなかで「就労」が認められるもの | ||||
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名称 | 活動内容 | 該当例 | 在留期間 | |
外交 | 外国政府の外交使節団、領事機関の構成員,条約若しくは国際慣行により外交使節と同様の特権及び免除を受ける者、これらの者と同一の世帯に属する家族の構成員としての活動 | 外国政府の大使やその家族 | 外交活動の期間 | |
公用 | 外国政府・国際機関の公務に従事する者、またはその者と同一の世帯に属する家族の構成員としての活動 | 大使館・領事館の職員、国際機関等から公の用務で派遣される者やその家族 | 5年 3年 1年 3ヶ月 30日 15日のいずれか | |
教授 | 大学や大学に準ずる機関または高等専門学校で研究、研究の指導または教育をする活動 | 大学教授など | 5年 3年 1年 3ヶ月のいずれか | |
芸術 | 収入を伴う音楽、美術、文学その他の芸術上の活動 | 作曲家、画家や著述家など | 5年 3年 1年 3ヶ月のいずれか | |
宗教 | 外国の宗教団体により本邦に派遣された宗教家の行う布教その他の宗教上の活動 | 宣教師など | 5年 3年 1年 3ヶ月のいずれか | |
報道 | 外国の報道機関との契約に基づいて行う取材その他の報道上の活動 | 外国の報道機関の記者など | 5年 3年 1年 3ヶ月のいずれか |
活動内容が根拠となる在留資格のなかで「就労」が認められるもの(個別の条件あり) | |||||
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名称 | 活動内容 | 該当例 | 在留期間 | ||
高度専門職 | (1号)日本の公私の機関との契約に基づいて研究、研究指導、教育をする活動、または自然科学や人文科学の分野に属する知識・技術を要する業務に従事する活動、または経営・管理を行う活動、またはこれらの活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動など | ポイント制による高度人材 | 5年 | ||
(2号)1号の活動を行った者で、その在留が日本の利益に資するものとして法務省令で定める基準に適合するものが行う日本の公私の機関との契約に基づいて研究、研究指導、教育をする活動、または自然科学や人文科学の分野に属する知識・技術を要する業務に従事する活動、または経営・管理を行う行動。またはこれらの活動と併せてこの表の教授~報道、法律・会計業務、医療、教育、技術・人文知識・国際業務、技能などに該当する活動など | 無期限 | ||||
経営・管理 | 貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動 | 経営者 | 5年 3年 1年 6ヶ月 4ヶ月 3ヶ月のいずれか | ||
法律・会計業務 | 外国法事務弁護士、外国公認会計士その他法律上資格を有する者が行うこととされている法律又は会計に係る業務に従事する活動 |
弁護士 |
5年 3年 1年 3ヶ月のいずれか | ||
医療 | 医師、歯科医師その他法律上資格を有する者が行うこととされている医療に係る業務に従事する活動 | 医師、看護師 | 5年 3年 1年 3ヶ月のいずれか | ||
研究 | 日本の公私の機関との契約に基づいて研究を行う業務に従事する活動 | 研究所や企業の研究者 | 5年 3年 1年 3ヶ月のいずれか | ||
技術・人文知識・国際業務 | 日本の公私の機関との契約に基づいて行う理学、工学その他の自然科学の分野若しくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動 | 技術者、事務職、通訳、デザイナーなど | 5年 3年 1年 3ヶ月のいずれか | ||
企業内転勤 | 日本に本店、支店その他の事業所のある公私の機関の外国にある事業所の職員が日本にある事業所に期間を定めて転勤して行う技術・人文知識・国際業務と同様の活動 | 外国の事務所からの転勤者 | 5年 3年 1年 3ヶ月のいずれか | ||
このように、就労を目的とした在留資格は種類が多く、仕事内容や雇用形態によって適切なビザが異なります。
次の章では、就労以外を目的とした在留資格について解説していきます。
就労以外を目的とした在留資格には、留学や研修など「学ぶこと」を目的とするものや、日本で働く外国人に家族が同伴できるものがあります。
「就労」以外の活動目的に対して発行される在留資格 | |||
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在留資格の名称 | できること | 該当例 | 在留期間 |
文化活動 | 収入を伴わない学術上若しくは芸術上の活動若しくは日本特有の文化若しくは技芸について専門的な研究を行い若しくは専門家の指導を受けてこれを修得する活動 |
日本文化の研究者、 |
3年 1年 6ヶ月 3ヶ月のいずれか |
短期滞在 | 日本に短期間滞在して行う観光、保養、スポーツ、親族の訪問、見学、講習又は会合への参加、業務連絡その他これらに類似する活動 | 観光客など | 90日、30日、15日以内の日を単位とする期間 |
活動内容が根拠となる在留資格で「就労」が認められないもの(基準省令の適用あり) | ||||
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名称 | できること | 該当例 | 在留期間 | |
留学 | 日本の大学や専門学校などで教育を受ける活動 | 留学生 | 法務大臣が個々に指定する期間(4年3月を超えない範囲) | |
研修 | 日本の公私の機関により受け入れられて行う技能等の修得をする活動 | 研修生 | 1年 6ヶ月 3ヶ月のいずれか | |
家族滞在 | 教授、芸術、宗教、報道、高度専門職、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、興行、技能、特定技能2号、文化活動、留学の在留資格をもって在留する者の扶養を受ける配偶者又は子として行う日常的な活動 | 在留外国人が扶養する配偶者と子供 | 法務大臣が個々に指定する期間(5年を超えない範囲) |
このように、留学や研修、家族滞在といった在留資格は、日本での学びや生活を支えるために設けられています。
さらに、これらのどの在留資格にも当てはまらないケースに対応するために設けられているのが「特定活動」です。次の章では、この特定活動について詳しく解説します。
特定活動ビザは、法務大臣が活動内容を個別に指定できる特別な在留資格です。一般の在留資格に当てはまらないケースに対応できるため、必要に応じて柔軟に活用されています。
日本での活動内容を法務大臣が個々の外国人について特に指定するもの | |||
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名称 | できること | 該当例 | 在留期間 |
特定活動 | 法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動 | ワーキング・ホリデー、EPAに基づく外国人看護師・介護福祉士候補者など | 5年 3年 1年 6月3ヶ月又は法務大臣が個々に指定する期間(5年を超えない範囲) |
このように、特定活動ビザは一般の在留資格に当てはまらないケースに幅広く対応できる特別な制度です。
ただし、活動内容や必要書類はケースごとに異なるため、申請には正確な知識と準備が欠かせません。各ビザの詳細については、当事務所が用意した個別の解説ページをご覧ください。
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