
日本での在留中に、オーバーステイ(不法残留)や在留資格取消などが問題になると、退去強制手続に進む場合があります。一般には国外退去や強制送還などと言われることもあります。もっとも、実際の制度では「退去強制」だけを見ても手続きの全体像は分かりにくく、関係する他の制度などをあわせて確認する必要があります。
例えば、退去強制では次のような制度が関係することがあります。
不法残留の状態になってしまう
↓
退去強制手続が始まる
↓
途中で監理措置制度・仮放免などで収容を解除する場合がある
↓
退去強制ではなく、出国命令になることや、場合によっては在留特別許可となる
退去強制の問題では、このように複数の制度が関係するため、「いまどの段階なのか」が分かりにくいことがあります。
このページでは、退去強制手続の流れの中で、どの段階でどの制度が関係するのかを順番に整理します。
退去強制手続そのものの詳細については、退去強制(国外への退去処分)のページで詳しく説明しています。
日本での在留期間を過ぎても更新や変更の手続きをしないまま残留している状態は、一般に「オーバーステイ」と言われます。制度上は不法残留にあたり、退去強制手続の対象になることがあります。
もっとも、不法残留になった場合でも、すぐにすべての人が同じ手続になるわけではありません。状況によっては
出国命令の対象になる場合もあります。
また、退去強制手続の途中で収容されている場合には監理措置制度や、仮放免などの制度で一時的に収容から解除されることもあります。
さらに、不法滞在となった事情や国内での状況によっては在留特別許可が認められる可能性もあります。
そのため、オーバーステイの問題は一つの制度だけで判断できるものではなく、その後にどの手続に進み、どの制度が関係するのかという流れで整理することが重要です。
退去強制手続は、一般に次のような流れで進みます。
退去強制の扱いに該当する疑いがあるとして調査が行われる
↓
退去強制に該当するかどうかの審査が行われる
↓
(該当するとされた場合)必要に応じて口頭審理や法務大臣への異議の手続に進む
↓
最終的には退去強制・在留特別許可・出国命令などの方向が問題になる
退去強制事由や違反調査、違反審査、口頭審理などの詳細については退去強制(国外への退去処分)のページで解説しています。
ここでは、その詳細を繰り返すのではなく、退去強制手続の流れの中でどの制度が関係するのかを整理します。
退去強制手続の入口は、不法残留だけとは限りません。
場合によっては、先に「在留資格の取消」が決定してから退去強制手続や出国となることもあります。
この場合は制度の順番としては
在留資格取消
↓
退去強制手続、または自分で出国する
という流れになります。
ここまでの内容を前提に、退去強制手続の流れと関連制度について、特に分かりにくい点を整理します。
オーバーステイは不法残留にあたり、退去強制手続の対象になることがあります。ただし、状況によっては出国命令の対象になる場合もあり、個別の事情によって手続の進み方が異なることがあります。
監理措置制度は、監理人による見守りを前提に、収容せずに社会内で生活しながら手続を進める制度です。仮放免は、健康上や人道上の事情などを理由に収容を一時的に解除する制度です。
在留特別許可は、退去強制に該当する場合でも、日本での在留を特別に認める制度です。出国命令は、不法残留中の人が一定の条件を満たして自分で出国する場合の制度です。
在留資格取消が問題になった場合でも、その後の扱いは取消しの理由などによって異なります。場合によっては退去強制手続に進むことがあります。
退去強制に関する制度は、一つの制度だけで全体を理解するのが難しい分野です。オーバーステイや在留資格取消が入口になり、退去強制手続の途中では監理措置制度や仮放免が関係し、結果として在留特別許可や出国命令が問題になることがあります。
制度の名前だけで判断するのではなく、現在の状況が
という流れを整理することが重要です。