在留資格とは外国人が日本国で暮らし、学び、働いたりするために必要な法的な資格です。日本国籍を持たない外国の人にとっては、日本での生活の法的な基盤になるとても重要な資格です。
このため日本に暮らす外国人のひとり一人に、その人の目的や事情に応じた在留資格が発行されています。
「在留資格の種類」は、2022年7月現在、29種類が「出入国管理及び難民認定法」(いわゆる入管法です)において定められています。おもにこの29種類の在留資格は、下記のように分類されています。
そして在留資格には、永住者などの一部の種類を除いて、「在留期間」という有効期間が定められています。その期間が満了するときに引き続いて日本での在留を希望する場合には期間の更新手続きを行います。
身分や地位に基づく在留資格とは、日本人と国際結婚をした人など、その人のまさに身分を根拠とする在留資格です。身分や地位を根拠にしているため、このグループの在留資格には日本での活動(就労など)に制限がありません。
定住者の該当例としては、日系3世の方や、外国人配偶者の連れ子などがあります。
活動の内容が根拠となる在留資格のなかで「就労」が可能なのは、現在のところ、19種類が規定されています。このグループの在留資格があると、日本で行うことができる活動として各在留資格で規定された活動内容(働く内容)の範囲内で就労が可能になります。
活動内容が根拠となる在留資格のなかで「就労」が認められるもの | ||||
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名称 | 活動内容 | 該当例 | 在留期間 | |
外交 | 外国政府の外交使節団、領事機関の構成員,条約若しくは国際慣行により外交使節と同様の特権及び免除を受ける者、これらの者と同一の世帯に属する家族の構成員としての活動 | 外国政府の大使やその家族 | 外交活動の期間 | |
公用 | 外国政府・国際機関の公務に従事する者、またはその者と同一の世帯に属する家族の構成員としての活動 | 大使館・領事館の職員、国際機関等から公の用務で派遣される者やその家族 | 5年 3年 1年 3ヶ月 30日 15日のいずれか | |
教授 | 大学や大学に準ずる機関または高等専門学校で研究、研究の指導または教育をする活動 | 大学教授など | 5年 3年 1年 3ヶ月のいずれか | |
芸術 | 収入を伴う音楽、美術、文学その他の芸術上の活動 | 作曲家、画家や著述家など | 5年 3年 1年 3ヶ月のいずれか | |
宗教 | 外国の宗教団体により本邦に派遣された宗教家の行う布教その他の宗教上の活動 | 宣教師など | 5年 3年 1年 3ヶ月のいずれか | |
報道 | 外国の報道機関との契約に基づいて行う取材その他の報道上の活動 | 外国の報道機関の記者など | 5年 3年 1年 3ヶ月のいずれか |
このグループで下記の在留資格の種類は、許可の条件(基準省令や上陸許可基準などといいます。)が設定されています。※各在留資格の条件については、各在留資格のページでご確認ください。
活動内容が根拠となる在留資格のなかで「就労」が認められるもの(個別の条件あり) | |||||
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名称 | 活動内容 | 該当例 | 在留期間 | ||
高度専門職 | (1号)日本の公私の機関との契約に基づいて研究、研究指導、教育をする活動、または自然科学や人文科学の分野に属する知識・技術を要する業務に従事する活動、または経営・管理を行う活動、またはこれらの活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動など | ポイント制による高度人材 | 5年 | ||
(2号)1号の活動を行った者で、その在留が日本の利益に資するものとして法務省令で定める基準に適合するものが行う日本の公私の機関との契約に基づいて研究、研究指導、教育をする活動、または自然科学や人文科学の分野に属する知識・技術を要する業務に従事する活動、または経営・管理を行う行動。またはこれらの活動と併せてこの表の教授~報道、法律・会計業務、医療、教育、技術・人文知識・国際業務、技能などに該当する活動など | 無期限 | ||||
経営・管理 | 貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動 | 経営者 | 5年 3年 1年 6ヶ月 4ヶ月 3ヶ月のいずれか | ||
法律・会計業務 | 外国法事務弁護士、外国公認会計士その他法律上資格を有する者が行うこととされている法律又は会計に係る業務に従事する活動 |
弁護士 |
5年 3年 1年 3ヶ月のいずれか | ||
医療 | 医師、歯科医師その他法律上資格を有する者が行うこととされている医療に係る業務に従事する活動 | 医師、看護師 | 5年 3年 1年 3ヶ月のいずれか | ||
研究 | 日本の公私の機関との契約に基づいて研究を行う業務に従事する活動 | 研究所や企業の研究者 | 5年 3年 1年 3ヶ月のいずれか | ||
技術・人文知識・国際業務 | 日本の公私の機関との契約に基づいて行う理学、工学その他の自然科学の分野若しくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動 | 技術者、事務職、通訳、デザイナーなど | 5年 3年 1年 3ヶ月のいずれか | ||
企業内転勤 | 日本に本店、支店その他の事業所のある公私の機関の外国にある事業所の職員が日本にある事業所に期間を定めて転勤して行う技術・人文知識・国際業務と同様の活動 | 外国の事務所からの転勤者 | 5年 3年 1年 3ヶ月のいずれか | ||
介護 | 日本の公私の機関との契約に基づいて介護福祉士の資格を有する者が介護又は介護の指導を行う業務に従事する活動 | 介護福祉士 | 5年 3年 1年 3ヶ月のいずれか | ||
興行 | 演劇、演芸、演奏、スポーツ等の興行に係る活動又はその他の芸能活動 | 俳優、歌手、プロスポーツ選手など | 3年 1年 6ヶ月 3ヶ月 15日のいずれか | ||
技能 | 日本の公私の機関との契約に基づいて行う産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する活動 | 外国料理の調理師、スポーツ指導者など | 5年 3年 1年 3ヶ月のいずれか | ||
特定技能 | (1号)日本の公私の機関との雇用に関する契約に基づいて行う特定産業分野で法務大臣が指定するものに属する法務省令で定める相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する活動 | 特定産業分野の各業務従事者 | 1年 6ヶ月 4ヶ月(上限5年) | ||
(2号)日本の公私の機関との雇用に関する契約に基づいて行う特定産業分野で法務大臣が指定するものに属する法務省令で定める熟練した技能を要する業務に従事する活動 | 3年 1年 6ヶ月 | ||||
技能実習 | (1号)技能実習法上の認定を受けた技能実習計画に基づいて、講習を受け、技能等に係る業務に従事する活動 | 技能実習生 | 法務大臣が個々に指定する期間(1年を超えない範囲) | ||
(2号)技能実習法上の認定を受けた技能実習計画に基づいて技能等を要する業務に従事する活動 | 法務大臣が個々に指定する期間(2年を超えない範囲) | ||||
(3号)技能実習法上の認定を受けた技能実習計画に基づいて技能等を要する業務に従事する活動 | 法務大臣が個々に指定する期間(2年を超えない範囲) |
活動の内容が根拠となる在留資格で「就労」が認められないものは、5種類があります。
活動内容が根拠となる在留資格で「就労」が認められないもの | |||
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在留資格の名称 | できること | 該当例 | 在留期間 |
文化活動 | 収入を伴わない学術上若しくは芸術上の活動若しくは日本特有の文化若しくは技芸について専門的な研究を行い若しくは専門家の指導を受けてこれを修得する活動 |
日本文化の研究者、 |
3年 1年 6ヶ月 3ヶ月のいずれか |
短期滞在 | 日本に短期間滞在して行う観光、保養、スポーツ、親族の訪問、見学、講習又は会合への参加、業務連絡その他これらに類似する活動 | 観光客など | 90日、30日、15日以内の日を単位とする期間 |
この「就労できない」在留資格のグループの中で下記の種類には、許可の条件(基準省令や上陸許可基準といいます。)が設定されています。※条件については、各在留資格のページでご確認ください。
活動内容が根拠となる在留資格で「就労」が認められないもの(基準省令の適用あり) | ||||
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名称 | できること | 該当例 | 在留期間 | |
留学 | 日本の大学や専門学校などで教育を受ける活動 | 留学生 | 法務大臣が個々に指定する期間(4年3月を超えない範囲) | |
研修 | 日本の公私の機関により受け入れられて行う技能等の修得をする活動 | 研修生 | 1年 6ヶ月 3ヶ月のいずれか | |
家族滞在 | 教授、芸術、宗教、報道、高度専門職、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、興行、技能、特定技能2号、文化活動、留学の在留資格をもって在留する者の扶養を受ける配偶者又は子として行う日常的な活動 | 在留外国人が扶養する配偶者と子供 | 法務大臣が個々に指定する期間(5年を超えない範囲) |
日本での活動内容を法務大臣が個々の外国人について特に指定するもの | |||
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名称 | できること | 該当例 | 在留期間 |
特定活動 | 法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動 | ワーキング・ホリデー、EPAに基づく外国人看護師・介護福祉士候補者など | 5年 3年 1年 6月3ヶ月又は法務大臣が個々に指定する期間(5年を超えない範囲) |
在留資格の種類は「特定活動」のみですが、この在留資格の「活動の内容」は法務大臣が指定できることに特徴があり、フレキシブルな対応が求められるような場合にも活用されています。
最近ではウクライナから戦禍を逃れるために日本へ避難された方々へも「特定活動」の在留資格が発行されています。
このように状況に応じて発行されるものや、法務大臣があらかじめ告示して類型化しているものも含まれます。告示している場合には番号がつき、
例としては「特定活動46号」として日本の大学を卒業した留学生の就職先を拡げるようなビザ・在留資格にも活用されています。
2022年7月現在で規定されている在留資格29種類をご紹介いたしました。
在留資格の認定申請や変更申請の際などにご参考頂ければ幸いです。各在留資格の詳細は個別のページでご参考頂けますようお願い申し上げます。
行政書士浜岡事務所では、すべての在留資格から申請者の将来に関する希望も踏まえて最適な種類をアドバイスさせて頂き、効率的なビザ手続きをご提供します。
もちろん外国人本人だけではなく日本人のご友人や周囲にいる方々からのご相談や質問にもお答えさせていただきます。ビザ・在留資格について分からないことや不安なことがあればお気軽に当事務所へご連絡ください。